2023.04.22

LIFESTYLE

工務店紹介の建築家が条件の土地 大胆にも施主はリストの中から有名建築家を選んだ! はたしてその提案されたプランは・・・ これだから家づくりは面白い!!

螺旋階段が3階まで続く

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雑誌『エンジン』の大人気連載企画「マイカー&マイハウス クルマと暮らす理想の住まいを求めて」。今回は、東京都内に建つ箱型の一軒家。外観はシンプルだが屋内に入ると、3階までを螺旋階段が貫く、開放的な吹き抜けが家の中央にあった……。デザイン・プロデューサーのジョースズキ氏がリポートする。

古くからの家具も様になる!

住み手のセンスの良さが窺える、家具ギャラリーのような空間のY邸。Yさん(40代)は堅い職種の自営業だが、「インテリアショップで働くことだってできますよ」と話すように、高校生の頃から熱心に雑誌を読み込んできたデザイン好きだ。特筆すべきは、多くの家具の中から、自分の好みで長く使えるものを選んでいること。今の家に移る前は、何軒かのデザイナーズマンションで暮らしたが、2階のリビングに置かれた2m幅の黄色いソファーは、そちらでも使用していたもの。趣味の良い新しい部屋に引っ越しても、古くからの家具を使って様になるのは、なかなかある話ではない。



そんなYさんは、奥様の「一軒家に住みたい」という強い希望から家作りを検討することになる。今の敷地は、愛犬の散歩の途中に偶然みつけたもの。表通りから入った静かな住宅街の、細い道に面した間口7m、奥行きが11mの土地だ。


「地方出身なので随分狭いとは思いましたが、東京では現実的な広さと判断しました」

もっともこの土地は、販売していた工務店が紹介する建築家の設計で家を建てることが条件。ところがリストの中でYさんの好みの建築家は、若松均さんただ一人。シンプルで、都会的なスタイルの集合住宅がメディアに取り上げられることの多い、キャリアの長い有名建築家だ。そんな大家が、果たして100m2に満たない土地で住宅の設計を請けてくれるのか。工務店は心配したがYさんの熱意は通じ、この土地での家作りが始まった。



Yさんが新居に望んだのは、奥様と小さなお子さん2人と暮らす、「家族の気配が感じられる、明るい家」。最初の案として建築家から、保守的なプラン、中庸なプランと挑戦的なプランの3種類が提案された。案の定Yさんは、挑戦的なプランを選択。その案が、今の家の骨格になっている。


インテリアに関心の高いYさんだが、家作りにおいては、施主が意見を言いすぎると、良い家にはならないと考える。

「例えばこのパーツを使ってほしいなどと主張すると、バランスを損なうことになりますから。もっとも設計が進んでからは、この位置に梁や柱がない方が美しいのではと、言わせて頂きましたが」

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