2023.05.22

CARS

ヤフオク7万円・走行約16万kmのシトロエンのレストア・リポート なんと欠品パーツが意外なところで見つかった!【エンジン編集部員のシトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#19】

ENGINE編集部員のシトロエン・エグザンティアの長期リポート。

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AT内部を覗くには、準備が必要

さて、カークラフトによるメカニカル関連の整備は、内燃機関連から駆動系へとステージが切り替わった。まずオートマチック・フルードやLHMなどの油脂類を抜き取り、LHMタンク、ATクーラー、そして関連するホース類を切り離していく。さらにドライブシャフトやアーム類も分離し、内部のグリスやブーツを交換していく。

全部で8個ある緑色の窒素ガスの入った球体、スフェアは、3個を前オーナーから譲り受けたものに、残りは新品に交換した。

前輪左右のスフェア。圧力は50bar。ドイツ製だった。

LHMのリターン・ホースはすでに各部で切断され、繋いだ跡があった。新品があればぜひ交換したいところだが、残念ながら一部を除き見つからず、部品取り車のアクティバからダメージを負っていた部分を切り取って繋ぐことにした。

ホースやタンク、アキュムレーターなどの周囲の部品を外すと、ようやくオートマチック・トランスミッションのオイルパンが分離できる。こういった工具がすぐにボルトなどにアクセスできないところを、いかにうまく対処していくかは、メカニックにとっては非常に重要なテーマだ。

カークラフトでは試しに1度、たった1つのサイズのボルトを外すのに、ガレージ内にどれだけの工具のバリエーションがあるか数えてみたそうだ。「いくつあったと思う?」と尋ねられ、おそらく20個くらい? と予想したのだが、実際はなんとその倍の40個以上もあったそうだ。



スムーズに時間をロスすることなく正しい整備をするには、これだけの工具が必要になってくるといういい例である。日本人は器用で、工具を加工したり造ったりして対応してしまいがちだが、海外では無駄な労力を掛けることがないよう、見事な工夫の施された工具がたくさんあるという。特にアメリカ製の工具は秀逸なものが多いそうだ。カークラフトの篠原勇さん、大輔さん親子は、常に最新のツール・カタログに目を通し、ブランドになどに惑わされない、効率的な作業のための工具の研究を欠かさない。

さて、今回は少々寄り道してしまったが、次回こそ予告していた駆動系、油圧回路、そして独ZF社製のオートマチック・トランスミッション内部に手を入れる。

■CITROEN XANTIA V-SX シトロエン・エグザンティアV-SX
購入価格 7万円(板金を含む2022年4月時点までの整備の支払い総額は216万9326円)
導入時期 2021年6月
走行距離 15万9247km(購入時15万8970km)

文=上田純一郎(ENGINE編集部) 写真=カークラフト/上田純一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

◆エンジン編集部ウエダのシトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート連載一覧はコチラ
ヤフオク7万円25年オチのシトロエンの長期リポート連載!

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