2023.05.02

CARS

メルセデスAMG・SLにトップ・モデルの「63」登場 SL初の4WDと4WSを搭載

新型からメルセデスAMG専用モデルとなったラグジュアリー・オープン・スポーツの「SL」に高出力モデルの「SL63・4マチック+」が追加された。あわせて「SL43」の装備見直しも実施されている。

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4.0リッターV8ターボを搭載

SL63に搭載されるエンジンは4.0リッターV8ターボの「M177」ユニットで、シリンダーバンク内側に配置された2基のターボを搭載。ターボはツインスクロールで、タービンへのダクトも2分割にし、一方のダクトに1番もしくは2番、もう1方に3番もしくは4番シリンダーの排気を供給することで排気干渉を防ぐレイアウトを採る。



585ps、800Nmを誇る

既存ユニットに対し、ピストン重量の最適化やオイルパンの刷新、吸気系とインタークーラーの改良、ソフトウェアの新開発といった変更を実施。気筒休止での高効率化や、磁性流体式の可変マウントによるハンドリングと快適性の両立も図られた。また、高出力化に対応して冷却系も改善。エンジンとターボを冷やす高温回路、インタークーラー、トランスミッション、エンジン制御装置用の低温回路、水冷式オイルクーラーの3系統が設けられている。最高出力は585ps、最大トルクは800Nm。加速性能は0-100km/h が3.6秒、最高速度は315km/hと、下位グレードのSL43より1.3秒と40km/hそれぞれ向上している。

トランスミッションは湿式多板クラッチを用いる9段ATで、駆動方式はSLとしては初となる4WDを採用している。後輪を常時駆動し、電子制御の機械式クラッチにより前輪への駆動力分配を連続的に可変させ、前輪を駆動する。



ダンパー連結式の電子制御サスペンション

サスペンションは、フロントが5本のリンクをすべてホイールの内側に収めたマルチリンク式で、リアは5リンク式を採用。メルセデスAMG量産車では初となる「AMGアクティブ・ライドコントロール」を導入。油圧式スタビライザーと4本のアクティブ・ダンパーの油圧ラインを相互に接続することでロールの制御を行うほか、30mmのフロント・リフト・アップも可能となっている。

さらに、これまたSL初となる4輪操舵を標準装備。最大舵角2.5度のバイ・ワイヤ式後輪操舵と、14.2:1から12.8:1へクイック化させた前輪ステアリング・ギアの組み合わせにより、ステアリング操作の負担軽減や限界域でのコントロール向上を実現するという。



自動バレー・パーキング機能を採用

また、SL43には記憶させた駐車場と乗降場所といった2点間の移動と駐車を自動で行うメモリー・パーキング・アシストと、新デザインのボンネット・エンブレムを採用。オプションではヒマラヤグレーペイントの10ツインスポーク21インチ・ホイールと、クリスタルホワイトとブラックのナッパレザー内装を設定した。

価格はSL43が1700万円、SL63・4マチック+が2890万円。ハンドル位置はSL43が左右とも、SL63は左のみの設定となる。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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