ハチロクじゃないレビンもいかが？　GR86の始祖、TE27レビンの極上車を発見

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2023年4月14日から16日の3日間で開催された「オートモビルカウンシル2023」はモーターショーの枠を超えたモーターショー。クルマはもちろんのこと、カー用品やグッズだけでなくファッションなどクルマやクルマ生活にまつわる様々な展示が行われる。

2代目はTE27型カローラ・レビン

オートモビルカウンシルの特徴のひとつは実際に購入できるクルマが多数出展されていること。ショーカーであると同時に販売車両でもあるのだ。その中から今回は、エンジン編集部が注目する5台のクルマを紹介していく。2台目は「TE27型トヨタ・カローラ・レビン」。なお、車両についてはすでに販売済みの可能性があることをご了承ください。

カローラ・レビンと言えば……

カローラ・レビンとスプリンター・トレノ。往時のトヨタを代表するこれらの車名を見たり聞いたりしたときに、まずどのモデルを思い浮かべるだろうか。

コミックなどの影響もあり、1983年に登場したAE86時代、いわゆる「ハチロク」の印象が強いはずだ。しかし、ハチロク以前からレビンとトレノはクルマ好きから愛されていた。初代のTE27型がリリースされたのは1972年のこと。公道はもちろん、レース・シーンやラリー・フィールドにおいても活躍した。このスパルタンな小型高性能クーペに魅せられ、クルマ趣味生活をスタートさせた先達も多い。

73年式のセミ・レストア車

オートモビルカウンシル2023で「ヴィンテージ宮田自動車」が展示していたのはセミ・レストアされた1973年式のトヨタカローラ・レビン1600GTで、税込販売価格は550万円。内外装機関各部仕上げ済み、という個体であった。

2代目カローラとスプリンターのスポーティ・モデルのトップ・グレードとして君臨したレビンとトレノの最大の特徴は、コンパクトかつ軽量なボディにセリカ1600GTやカリーナ1600GTと同じ1.6リッター直列4気筒DOHCの2T-Gエンジンを搭載していた点だ。5段トランスミッションを駆使することで、最高速度190km/h、0-400m加速16.3秒という当時としては圧倒的なパフォーマンスを実現していた。

また、増加したパワーおよび高くなったトップ・スピードに備え、脚まわりも強化されていた。レビンやトレノではないモデルのスポーティ・グレードとしてラインナップされていた1400SR用のそれをさらに締め上げ、軽快なフットワークと卓越した操縦安定性を両立させていたのだ。

ボルト留めのオーバー・フェンダーがソソる

エクステリアではボルト留めされたオーバー・フェンダー、専用のフロント・グリル、ブラックアウトされた窓枠、砲弾型ミラーなどがベースとなったカローラやスプリンターの通常グレードのクーペとは異なっていた。インテリアでは専用のセミ・バケットシート、油温計や油圧計などを装備。ただし、走りに徹したホット・モデルだったのでエアコンはもちろんラジオもオプション設定だった。

展示車両はエクステリアが全塗装仕上げで、インテリアがシート張り替え済み。2T-Gエンジンもオーバーホール済みで、吸排気系は新品のソレックス製キャブレターとタコ足（エグゾースト・パイプ）、マフラーを装備。ゴム類も新品で、まさに極上のコンディションだが、これでセミ・レストア車だという。

フル・レストアはひと桁違う

ヴィンテージ宮田自動車のスタッフから「オートモビルカウンシルに持ってくるクルマは飛び切り上級レベルで、人気と稀少性を兼ね備えたセレクトです。ほかの内外装機関各部仕上げ済み車も見ていってください」と勧められたので、周囲に展示されているクルマのラインナップと販売価格を確認してみた。

1969年式のダットサン・フェアレディ2000が750万円、1970年式の日産フェアレディZ432（エンジンのオーバーホール作業付き）が4000万円、1972年式の日産スカイラインGT-Rが税込3850万円であった。やはり、ボディ総剥離のレストアなどが実施されると価格のゼロがひとつ増えるということであろう。1985年式のトヨタセリカXX2000GTとフルレストアされた1969年式のトヨタスポーツ800は価格応談だったが、こちらも間違いなくイイ金額のはずだ。それらの販売価格を知るとこのレビンの550万円が安く感じられてしまう。

ヴィンテージ宮田自動車で内外装機関各部仕上げ済み車をゲットし、脚まわりをさらにイジれば、最高のオモチャが完成するだろう。