ビートル系以来のRRが復活! フォルクスワーゲンID.4プロ
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2023年の注目の輸入車38台を一同に集めたエンジン大試乗会に参加したモータージャーナリスト40人が注目するクルマ! ビートル系以来のRRが復活! フォルクスワーゲンID.4プロに乗った島下泰久さん、山本シンヤさんの2人は、思わず叫んだ!あくまでピープルズ・カーBEVシフト推進のための世界戦略車であるID.4。しかしながら流麗なデザインもシンプルにまとめられたインテリアも、いい意味であまり気合の漲った感じではなく、カジュアルに接することができる。走りの印象も同様で、アクセル・レスポンスはとても素直。Bレインジではアクセル・オフでの回生制動が強まるが、減速感はあくまで自然だ。電気モーターをリアに積む後輪駆動ということで、初代ビートルのことが頭をよぎったりもするが、こちらも振る舞いはごく自然。とは言え、すべての質は高く、心地よいドライバビリティによってストレス極小の走りが楽しめる。実はスタート・スイッチを押さなくてもDレインジに入れるだけで走り出せたり、エンジンが無いおかげで前輪切れ角が大きく小回りが効いたりと、BEVならではの旨味も数多い。けれど、それをひけらかすことなく、気づけば普段使いがちょっとラクで楽しい。そんな感覚に仕立てられている。そう、BEVでもやはりこれはフォルクスワーゲン。あくまでピープルズ・カーなのである。(島下泰久)

飽きの来ない良さ
内外装のBEVならではの「先進性」とVWらしい「プレーン」さをバランスよく両立させたデザインは街にスッと溶け込む親しみやすさがあるものの、過渡期のBEVとしてはもう少し「解りやすさ」があってもいいかも? さらに操作系は従来のロジックと先進性が中途半端に混ざっているのが気になる所。メカニズムはBEV 専用プラットフォーム、リアに搭載のモーター、床下のバッテリーと、従来のVWと関連性は全くないが、走らせると「そうそう、これがVW!!」と感じる乗り味を備える。パワートレインは他のBEVとは異なり鋭い加速感を抑えたフィールだが十分以上のパフォーマンス。フットワークは強烈な個性はないが、かと言って何か不足を感じることのない絶妙なさじ加減……。これはゴルフやポロに乗った時とまったく同じ感覚で、ある意味「BEV時代のスタンダード」と呼べるキャラクターだ。それが故に、充電事情が整った人以外には明確に「今買うべし!!」と言う魅力は少ない。しかし、ジックリと付き合ってみると、「飽きの来ない良さ」がジワーッとにじみ出てくるような一台だと思っている。(山本シンヤ)
写真=神村聖/茂呂幸正/郡大二郎/小林俊樹(ENGINE2023年4月号)
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