2024.07.21

CARS

993型RSクラブスポーツに乗るジャーナリスト、島下泰久のRS論 最新のGT3RSとカレラRSの2台をガレージに並べたい! 

島下泰久氏の愛車、1995年型のポルシェ911RSクラブスポーツ。

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中古車バイヤーズ・ガイドとしても役立つ雑誌『エンジン』の貴重なアーカイブ記事を厳選してお送りしている人気企画の「蔵出しシリーズ」。今回は、20218年7月号に掲載した993型RSクラブスポーツに乗るモータージャーナリスト、島下泰久のRS論を取り上げる。1973年の911カレラRSから最新のポルシェ911GT3RSまで、RSの魅力を自らの愛車を軸に語った保存版だ。

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レーシング・スポーツ

ポルシェの「RS」とはドイツ語のレン・シュポルト、英語ではレーシング・スポーツを意味する。単に五感やイメージで付けられているのではなく、ポルシェの場合それは実際にレーシング・カーのベース車両を指す名称だ。



市販車としてRSの名が冠された最初のモデルは1973年式911カレラRS、伝説の“ナナサンカレラ”である。目的は当時のグループ4ホモロゲーション取得だった。そして1983年にはグループBラリーカーのベース車となる911SC/RSが登場。更にまた10年の歳月を経て1992年にはタイプ964に久々の911カレラRSが設定される。これはちょうど始まったワンメイク・レース、ポルシェ カレラカップ用マシンのベース車だった。

前オーナーにより助手席側にパワー・ウィンドウとエアコンが付加されている。


1994年に登場したタイプ993の911カレラRSも、やはりカレラカップ、そしてF1サポート・レースのポルシェ スーパーカップ用として開発されたものだ。遮音材を省くなど軽量化した車体に積まれるフラット6ユニットはタイプ964と違って内部にも手が入れられ、排気量をカレラの3.6リッターから3.8リッターに拡大。最高出力を272psから300psに高めている。サスペンションは車高調整式とされ、更に日本向けには本国仕様クラブスポーツ用の大型エアロ・パーツが装着される。

徹底的な軽量化が図られており、後席はもとより天井の内張りなどもない鉄板剥き出しの室内がとてもストイック。4点式シート・ベルトはオリジナルのものから交換されている。ボディに溶接されたロールケージが室内に張り巡らされ、3点式シート・ベルトの装着はできない。


私が所有して今年で10年になる、このカレラRSは当時並行輸入された、そのクラブスポーツ。外観は日本仕様カレラRSと変わらないが、見ての通り内装材はほとんど無く天井も鉄板剥き出しで、何点式か数えられないほどのロールケージもボルト留めではなく溶接固定されている。ボディの剛性感の高さは、それはもう半端じゃない。

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