当サイトでのCookieの設定について

このウェブサイトでは、サイトの使用状況を分析し、弊社のマーケティング活動を支援するために、Cookieを用いています。詳細は、「個人情報保護方針」をご覧ください。 個人情報保護方針

2024.01.18

CARS

パナメーラSハイブリッドは、どんなポルシェだったのか？　世界一運転が楽しいハイブリッド！　4駆ではなく2駆にしたメリットとは　【『エンジン』蔵出しシリーズ／ポルシェ篇#15】

村上政

ポルシェ・パナメーラSハイブリッド

全ての画像を見る
燃費はリッター17.8km！

advertisement


オーストリアのザルツブルク近郊の美しい山と湖を背景に開かれた国際試乗会では、街中から高速道路、ワインディング・ロードまで、様々なステージで、このクルマの実力を試すことができた。

まず、運転席に着いたらドアを閉め、シート・ベルトをした後にキイを捻る。すると、かすかに聞こえるヒューンという音とともに回転計の針が「READY」の位置に移動し、いつでも電気モーターで発進できる状態にあることを示す。あとはアクセレレーターの踏み方次第で、電気モーター走行を最大約2kmまで続けることもできるし、すぐにエンジンをかけて急加速に入ることも可能だ。

このあたりはカイエンSハイブリッドと変わらないが、実際に走り始めて感じた違いは、モーターとエンジンの連携がよりスムーズになり、ハイブリッド車ということをほとんど感じさせないくらい自然になっていること。そしてクルマの動きが軽快で、ほかのパナメーラ同様、スポーツカー感覚にあふれていることだ。



とにかく、運転していてダイレクト感があり、メリハリが効いていて、たとえばトヨタのハイブリッド車のように、どうにもこうにも掴み所がない感じがしない。ポルシェのプレス資料には、「動力分割式ハイブリッドの“ラバーバンド・フィール”を伴うことのない、ポルシェならではの弾けるような加速」と書かれていたが、言い得て妙だ。要するに、あのゴムが伸び縮みするような妙な感覚に、私はこれまで馴染めずにいたのだと思い至った。

特筆すべきは、やはりコースティグの巧みさ、ということになると思う。普通に走っていても、アクセレレーターから足を離すと間髪を入れずにエンジンが停止する。それを知るのは、回転計の針がストンと落ちるからだ。そうでなければまったく気づかないほど制御がスムーズで、再びエンジンが始動する時に少し振動と音が聞こえるので、止まっていたと知ることになる。カイエンよりずっと遮音を徹底したと言うだけあって、室内は常に静寂に包まれている。加えて、エア・サスペンションが標準装備されているおかげで、乗り心地も抜群にいい。

街中では電気モーター走行で燃費を稼ぎ、高速道路ではコースティングでまたまた燃費を稼ぐ。いつのまにか、ハイブリッド車の運転を積極的に楽しみ始めている自分に気づいて、ちょっと苦笑してしまった。

ワインディングでは、もちろん積極的にスポーツカー感覚の走りを楽しませてもらったが、そんな時でも、下り坂ではコースティングで燃費を稼ぐことができる。欲を言えば、エンジン・ブレーキが効かない点に、やや不足感を感じなかったわけではないが、マイナスのパドルを引けば回生ブレーキの負荷が強くなるようになっているから良しとしよう。

今回の試乗会では、最後に街中、高速道路、山道を組み合わせたコースで燃費を競うオマケがついていた。チーフ・エンジニアがミシュランのパナメーラ専用低摩擦タイヤを履いて叩き出した目標値は100kmあたり6.8リッター（リッター14.7km）。なんと私がトライした結果は5.6リッター（リッター17.8km！）。日本チーム全員がこれと同等の数字を叩き出した。これにはポルシェのエンジニアたちもビックリ仰天。日本人はかくも燃費競争が得意なのであった。

文＝村上 政（ENGINE編集長）　

■ポルシェ・パナメーラSハイブリッド
駆動方式　パラレル式フルハイブリッド後輪駆動
全長×全幅×全高　4970×1931×1418
ホイールベース　2920mm
車両重量　1980kg
エンジン形式　アルミ製直噴V6スーパーチャージャー＋電気モーター
排気量　2995cc
ボア×ストローク　84.5×89.0mm
最高出力　333ps/5500-6000rpm（V6）+47ps/1150rpm以上（電気モーター）
最大トルク　44.9kgm/3300-5250rpm（V6）+30.6kgm/1150rpm以下（電気モーター）
トランスミッション　8段AT
サスペンション形式（前）　ダブルウィッシュボーン/エア・スプリング
サスペンション形式（後）　マルチリンク/エア・スプリング
ブレーキ　前後　　通気冷却式ディスク　アルミ製モノブロック・キャリパー
タイヤ（前）　245/50ZR18
タイヤ（後）　275/45ZR18
車両本体価格　1483万円

（ENGINE2011年8月号）

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

会員の方はこちら

続きを読む　>
タグ：

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement