トヨタ・ソアラ2.8GTリミテッドにはデジタルメーター、マイコン制御式オートエアコン、クルーズ・コンピュータといった当時の最新装備を完備していた。レンタル料金は8時間3万円~。
全ての画像を見る
いい時代の象徴村山 初代に限らず、ソアラってバブルの景気のいい時代の象徴ってイメージがずっとあります。これってW124の前にデビューしているんですよね。あの頃のメルセデスの内装は地味だけど、ソアラは見るからに高級感、未来感があって、当時の若者だったら、コッチを選んだかも。村上 デザインがいいよね。線がスッキリしていて清潔。内装もシンプルでスッキリしてる。藤原 メーターの視認性とか、人間工学的な考え方が入ってきた時代の日本車。視認性もいいし、各部の操作性、配置もわかりやすい。村山 あとフェンダーミラーが良かった。幅もわかりやすく視線移動も少ない。調整も電動で驚きました。村上 クルマとしての基本がいい。ボディの剛性感は40年経った今でも十分残ってた。一方で乗り味はもっとスポーティかと思ってた。ゆったりとしていて見事に高級車だった。そういう意味でも目指してたのは、メルセデスのSLCだったんだろうな。藤原 W126のSクラスも今乗ると、ゆるいというかアメ車ナイズされた乗り味ですよね。昔、初代ソアラに乗った時もそういう印象だった。ふっくら、ゆったり、ふわふわみたいな。でも今回乗ってみたらボディはすごくしっかりしているし、ロード・ホールディングも悪くない、今でも十分通じるものになってた。村上 そう。足もしっかり動いて、硬くしていない。だから乗り心地がいい。空を駆けるというか、クルージングするというか、そういう気持ちのいい乗り物だったね。
村山 僕はこの時代のクルマに乗った経験が少ないんですが、足の動く量は大きいけど安心してコーナーにも入れるし、良いクルマでした。当時のW124の6割くらいの価格でこれだけしっかりしたものがあったんだって驚きでした。村上 当時の人は金庫の中にいるような剛性感を感じていたと思うよ。そんなの他の国産車にはなかったからね。藤原 あと、この6気筒ツインカムが結構よかったですね。村山 踏むと気持ちよかったです。村上 下からのトルクもあるしパワーも十分。結構勇ましい音を出して加速するし。藤原 最高出力170psしかないんですけどね。そうは感じなかった。村山 あのクルマ、100km/h超えたら警告音が鳴りましたよ。村上 懐かしい(笑)。でもちょっと変わった電子音だった。藤原 当時は100km/h超えるとまっすぐ走らないクルマもあったけど、直進安定性は抜群でした。村上 この個体のコンディションがすごくよかったのもあるよ。村山 もともと状態がいいのを新明工業でしっかりオリジナルに忠実にレストアしたそうですよ。藤原 初代ソアラを欲しいと思っても、ここまで状態がいいのは、なかなか見つからないし、滅多に乗れるものじゃない。これは絶対借りて乗った方がいい。村上 ホント、今回最大の収穫でした。こうなるとぜひ2代目にも乗ってみたいな。追加されないかなぁ?
▶「ちょっと古いクルマが面白い!」の記事をもっと見る
話す人=藤原よしお(まとめも)+村上 政(ENGINE編集長)+村山雄哉(ENGINE編集部) 写真=茂呂幸正■ソアラ 2.8GT-limited(1982)型式 MZ11全長×全幅×全高 4655×1695×1360mmホイールベース 2660mm車両重量 1320kg乗車定員 5名エンジン型式 水冷直列6気筒DOHC総排気量 2759cc最高出力 170ps/5600rpm最大トルク 24.0kgm/4400rpmトランスミッション 4段ATサスペンション(前/後) ストラット/セミトレーリングアームブレーキ(前後) ディスクタイヤサイズ(前後) 195/70R14車両本体価格(当時) 373.3万円(税抜)(ENGINE2023年7月号)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
いますぐ登録
会員の方はこちら