2023.08.26

CARS

野球解説者の山本昌さんの愛車は「ディーノ246GT」 初めて買ったフェラーリはテスタロッサ、ランボルギーニ・ミウラも所有した愛車遍歴とは?

山本昌さんと愛車のフェラーリ・ディーノ246GT

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ランボルギーニ・ミウラ

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それでもF40には3年乗った。そして2002年、山本さんは1971年式のランボルギーニ・ミウラP400SVを購入する。

「本当はフェラーリ288GTOを買うつもりでコレクターの元を訪ねたんです。そうしたら、ミウラがあった。エンジンかかるんですか? と聞いたら一発で始動。おお! 凄いなあと思っていたら、コレクターの方が“こっちでもいいよ”と。僕、『サーキットの狼』世代ですからね、あのとき一番好きだったミウラを買いました」

今日乗ってきたディーノはミウラからの乗り換えだ。山本さんはミウラに20年乗ってきた。その間、ミウラを持ちながらフェラーリも575Mマラネロ、F355、F512Mと乗り継いでいる。

どれかひとつ選ばなければならないとしたらどれですか? と聞いた。

「う~ん。どうですかね。本当に乗りやすかったのはF355ですね。ちょっとコンビニに行くときも気軽に乗れました。ディーノのようにエンジンをかけるときの儀式もないですしね」

それぞれのクルマとの思い出を頭に浮かべたのだろうか。続いて山本さんは言った。

「僕がすごく恵まれていると思うのは、いまのディーノを含めてそれらがまったく故障しなかったことです。ミウラなんて車検以外、タイヤ交換とオイル交換しかしていません。知り合いに腕のいいメカニックがいるので本当に助かっています。憧れのクルマが欲しいなら、まずいいショップを探すことではないでしょうか? そこでいろいろ相談することがクルマ探しのスタートだと思います。欲しいと思っているなら是非頑張って所有して欲しいです。こういうクルマがあるだけで気持ちが豊かになりますから」

フェラーリに一日の長

山本さんがスーパーカーに乗るのは、現役時代もいまも休日だ。

「1993年から今日まで30年間、ずっと左ハンドルのMT車が手元にあります。休日の朝にちょっとフラッと運転します。名古屋はちょっと走れば信号も交通量も少ない道がありますからね。昔、星野仙一監督に“あいつは球が遅いから速いクルマが好きなんだ”と言われたことがありましたけど、もうスピードはいいかなあ。シフトレバーをガチャガチャしながら走るだけで楽しいです」



そういえば目の前のディーノもミウラと同じ1971年型だ。両車の違いを聞いた。

「ディーノは初めて乗った1992年型のテスタロッサと同じ感覚です。トランスミッションもブレーキもテスタロッサと変わらない。フェラーリって1971年型でこれなんだと思いました。同い年のミウラと比べるとフェラーリに一日の長があると思いますね」

ポルシェにはいかないんですか?

「僕、911に乗ったことがないんですよ。普段使いのクルマがメルセデス・ベンツやBMWだったので、遊びのクルマはやや危うい感じのクルマになっちゃうのかもしれません。ミウラもディーノも女性っぽい柔らかいボディ・ラインで、それが好きなんでしょうね。ディーノと同じエンジンのランチア・ストラトスも大好きです」

山本さんにとってクルマとはなんですか?

「現役時代は頑張るための要素でしたね。勝てばいいクルマに乗れるというのがすごくありました。いまは、手元にある喜びかなあ。ミウラもディーノも文化遺産を預かっている感じです。次の方に手渡せるように大事に乗っていきたいです」

219勝を誇る先発投手は、名車の中継ぎ役を担っているのかもしれない。

文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=筒井義昭


山本昌
1965年生まれ。「球界のレジェンド」の異名を持ち数々の大記録を達成してきた名投手で、現役32年を中日ドラゴンズ一筋で活躍してきたフランチャイズプレイヤー。1984年に日本大学藤沢高校からドラフト5位で入団。入団5年目のアメリカ留学を機に才能が開花。シーズン途中に帰国するとすぐさま1軍に定着し無傷の5連勝でリーグ優勝に貢献する。その後はチームのエースに成長。3度の最多勝に輝き、1994年には投手最高の栄誉である沢村賞を受賞。2006年には史上最年長41歳でのノーヒットノーランも達成し、以降も数々の歴代最年長記録を樹立してきた。2008年には通算200勝を歴代最年長の42歳で達成。2015年に史上初の50歳での登板を最後に惜しまれつつも現役を引退した。引退後は野球解説者・スポーツコメンテーターとして活動する傍ら、自らの経験を基に講演会の講師としても活躍中。また現役時代からの趣味であるラジコンや競馬、昆虫採集など様々な分野の特技と持ち前の明るいキャラクターを活かし活躍中。

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(ENGINE2023年8月号)

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