2023.06.29

CARS

ターボはヴェルファイアのみ、このあとPHEVも出る! アルファードとヴェルファイアのパワートレインを深掘り

6月21日から販売が開始されたトヨタの最高級ミニバン、新型アルファード、ヴェルファイア。エクステリアやインテリアに目が行きがちだが、新型ではパワートレインも注目すべきポイントのひとつだ。ここでは、そのパワートレインに深掘りする。

注目すべきポイントは2つ

特筆すべき点は、アルヴェル・シリーズとしては初めてアルファードとヴェルファイアで異なるパワートレインが用意されたことと、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)の導入だ。

ヴェルファイアZプレミア

3つのパワートレインをラインナップ

新型のエンジン・ラインナップは、販売の中心になりそうな2.5リッター直4ハイブリッド(HEV)、シリーズ初のターボ付きとなる2.4リッター直4ターボ、エントリー・ユニットの2.5リッター直4の3機種となる。このうち、アルファードは2.5リッター直4HEVと2.5リッター直4、ヴェルファイアは2.5リッター直4HEVをアルファードと共有するが、2.4リッター直4ターボはヴェルファイアでしか選べず、逆に2.5リッター直4がない。

この設定は、新型でアルヴェルを差別化する差に、今回はヴェルファイアをより運転を楽しみたい顧客層向けに訴求していきたいという戦略に因るものだと思われる。ターボ・エンジンの採用だけでなく、シャシーについても運転する喜びを感じてもらうように専用サスペンションが装着されているのだ。

アルファード・エグゼクティブ・ラウンジ

2.5リッターHEVは新エンジン

両モデル採用される2.5リッターHEVは、TNGAプラットフォームに合わせて開発されたダイナミックフォースエンジンと呼ばれるA25A-FXS型にエンジンを刷新。すでにRAV4やハリアーに採用されているものと同じ、低燃費と高出力・高レスポンスの両立を謳うユニット。エンジン型式名の末尾にある「FXS」は実用DOHC・ミラーサイクル・筒内噴射を示すコードとなる。

圧縮比は14:1で、ボア×ストロークは87.5×103.4mm。従来のエンジンよりもロングストローク化した。吸気バルブ開閉タイミングを最適制御する「VVT-iE」と、筒内直噴+吸気ポート噴射を組み合わせた「D-4S」を搭載。さらに、電動ウォーターポンプを備えた可変冷却システムや低フリクションオイルなどによって燃費向上を図った。

エンジン単体での性能は190ps/236Nm。これに182ps/270Nmの電気モーターを組み合わせる前輪を駆動する。システム出力250ps。さらに54ps/121Nmのリア・モーターで後輪を駆動する4WDを設定する。なお、アルファードとヴェルファイアのハイブリッド車に前輪駆動(FF)が用意されるのは新型が初めてだ。燃料タンク容量は60リッター、WLTC燃費はFF車が17.5〜17.7km/リッター、4WD車が16.5〜16.7km/リッターとなっている。

アルファード・エグゼクティブ・ラウンジ

3.5リッターV6に替わる強心臓

ヴェルファイアに積まれる2.4リッター・ターボはこれまでの3.5リッターV6に替わる高性能ユニット。こちらもレクサスRXやNXにも採用されているT24A-FTS型で、ハイブリッド用と同じダイナミックフォースエンジンとなる。圧縮比は11.0:1、ボア×ストロークは90.0×98.0mm。2.5リッターと比べるとボアは同一でストロークだけが短い。出力は279ps/430Nmで、走り志向のチューンを施したシャシーと組み合わせる。WLTC燃費と燃料タンク容量はFF車が10.3km/リッターで75リッター、4WD車が10.2km/リッターで65リッターだ。

アルファード用の2.5リッター自然吸気は従来型と同じ2AR-FE型で、圧縮比は10.4:1、ボア×ストロークは90.0×98.0mm。182ps/235Nmをいう出力も同値だ。WLTC燃費と燃料タンク容量は、FF車が10.6km/リッターで75リッター、4WD車が10.3km/ℓリッターで65リッターだ。

トランスミッションは、ハイブリッド車には遊星ギアを用いた電気式無段変速機、エンジン車には8段ATを採用する。

アルファード・エグゼクティブ・ラウンジ

PHEVはいつ導入か?

また、導入時期など詳細については何も発表されなかったものの、このあとPHEVを追加することが明らかになった。ここからは想像の域を出ないが、恐らくRAV4とハリアーのPHEVと同じユニットになる可能性が高い。その場合、2.5リッター・ハイブリッドよりもシステム総合出力が高くなるので、PHEVはエグゼクティブ・ラウンジを超える上級モデルになるかもしれない。

アルファード・エグゼクティブ・ラウンジ

文=関 耕一郎 写真=茂呂幸正、トヨタ自動車

(ENGINE WEBオリジナル)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

タグ:

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement