2023.06.25

CARS

新型アルファードとヴェルファイアはどっちが好み? 2台の外観を深掘りしてみた

8年ぶりにフルモデルチェンジしたトヨタの最高級ミニバン、新型「アルファード」と「ヴェルファイア」の構成要素を部分的にクローズアップ。ここではエクステリアに注目する。

全長以外はほぼ先代と同じ

まずはボディ・サイズ。新型の全長×全幅×全高はアルファードが4995×1850×1935(19インチは1945)mm、ホイールベースは3000mm。先代と比べると全長が45~60mm長く、全高がモデルによって5mm高い一方で、全幅とホイールベースは同値となっている。トヨタ・ブランドとしては全長5m、全幅1850mmに収めることは必須だったという。これによりハイルーフに対応する一般的な機械式駐車場に入庫が可能だ。ちなみに、新型アルファード&ヴェルファイアと兄弟関係にある新型レクサスLMの全長×全幅×全高は5125×1890×1955mmで、ホイールベースは変わらないものの、ボディ・サイズはひと回り大きい。



次世代の高級を狙う

新型のエクステリアのテーマは「フォースフル×インパクト・ラグジュアリー」。力強さと躍動感で次世代の高級を狙う。歴代モデルで培われてきた力強さと躍動感を強化し、わかりやすい豪華さを時代にあった上質さと共に表現したと説明されている。

全体のモチーフは闘牛のような大きな筋肉の塊が力強く突進する姿。フォルムはボディ・サイズをフルに使って、躍動感ある造型とした。



逆スラントを採用

フロント・エンドは止まっていっても動きを感じるように逆スラントを採用。初代は横方向の広がりを、2代目と3代目はグリルの上下方向を強調するデザインだったが、4代目となる新型は大面積のフロント・グリルとスリムな横長のヘッドライトで一体化を図り、ワイド感と堂々とした風貌を実現した。

ボディ・サイドは先代の倍近い抑揚を持たせたることで面に変化を与えている。また、伸びやかさを演出するため、サイド・ウインドウは前席と後席の部分を融合し、一筆書きのメッキ・モールで勢いを表現。前後ドアの境目にある闘牛の角のように前方へ鋭く突き出したモールディングの脇にはエンブレムが組み込まれている。



「王道」vs「こだわり」

これらの基本デザインをベースに、アルファードは「王道」、ヴェルファイアは「こだわり」をテーマにディテールでの差別化が図られた。ただし先代と比べると、ボディ・パネルをすべて共有するなど両者の差はかなり小さくなっている。

主な違いはフロントまわりで、アルファードはドット風グリルとそれに一体感を持たせたウインカーと兼用するデイタイム・ライト、パネル面の広いバンパーを組み合わせる。一方のヴェルファイアは、横長のバーが並ぶグリルと開口部の大きいバンパー、シャープな造形のデイタイム・ライトでアグレッシブなムードを持たせた。さらに、下位グレードの「Zプレミア」ではフロントまわりの漆黒メッキやリアまわりのスモークメッキ、ホイールのブラック・スパッタリング塗装やボディと同色化したドア・ハンドルの採用により精悍さや塊感をより強くアピールしている。なお、リアまわりはテールライトとガーニッシュのデザインが別意匠になるほか、バンパーの形状も異なる。



アルファードに新色を設定

抑揚のある造型を際立たせるために新規開発されたボディ・カラーがプレシャスレオブロンドだ。ベース層とクリア層の間にブロンズメタルの超薄膜層を挟む塗装構成により、陰影が強く、ハイライトが白く抜ける色調を実現。これはアルファード専用色となる、そのほかのボディ・カラーはアルファード/ヴェルファイアともにパールホワイトとブラック2色だ。

歴代の特徴をさらに強化し、より迫力が増した新型アルファード&ヴェルファイア。ユーザーに支持されたポイントを存分に研究した、正常進化版といえそうだ。



文=関 耕一郎 写真=茂呂幸正、トヨタ自動車

(ENGINE WEBオリジナル)

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