2023.07.09

CARS

販売台数は意外に多い!? 2モデル合計で限定1398台のスペシャル・フェラーリ、SF90XXが登場

フェラーリ初のプラグイン・ハイブリッド(PHEV)を持つV8ミドシップ・スポーツのSF90にスペシャル・モデルとなる「SF90XXストラダーレ」と「SF90XXスパイダー」が追加された。これまで20年にわたり、「XX」の名を持つモデルはすべてサーキット専用車だったが、クーペ・ボディの車名が示しているとおり、今回は公道用スポーツカーとして開発されている。

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レーシーなエクステリア

ベース車のSF90よりもかなりレーシーな雰囲気に仕立てられたエクステリアは各部に専用設計が導入されている。フロントまわりでは、ラジエーター傾斜角とアンダー・ボディのレイアウトを変更。さらに新形状のSダクトやバンパーの2種類のブロウン・ダクトを採用するなどにより、空力係数と冷却効率の向上を同時に実現している。また、ホイールアーチのルーバーなどの効果もあり、最高速度域では325kgのダウンフォースを生み出す。



F50以来の固定式リア・ウイング

リアには公道向けフェラーリでは「F50」以来という固定式リア・ウイングを採用。SF90ストラダーレ同様のアクティブ・エアロデバイスであるシャットオフ・ガーニーによりロー・ドラッグ(LD)とハイ・ダウンフォース(HD)の2ポジションを選択でき、250km/hで最大315kgのダウンフォースを発生する。ディフューザーも拡大され、その上にセンター2本出しのテール・パイプを装備。テールライトは横一文字に走るバー・タイプを採用した。

ボディ・サイズは全長×全幅×全高=4850×2014×1225mmで、ホイールベースは2650mm。乾燥重量はクーペのストラダーレが1560kg、リトラクタブルハードトップを備えるスパイダーが1660kg。前後重量配分はどちらも44:56だ。



レース・カーをモチーフ

インテリアはカーボンとアルカンターラを多用し、レース・カーのコクピットに寄せたデザインになっている。レーシング・タイプのシートはカーボン・チューブラー構造を採用。リクライニング可能でありながら一体型のような形状で、SF90ストラダーレ用一体型シートより1.3kg軽い重量を実現した。

ドア・パネルはホイールアーチのルーバーに似せた形状やダッシュボードとつながるくぼみのアクセント・カラーを採用。簡素ながら、スパルタンになりすぎないデザイン性や機能性も持たせている。



総合出力1030psへとさらにアップ

パワートレインは3990ccV8ツインターボのF154FB型をベースとしたPHEV。SF90ストラダーレのF154FAに対し、二次空気導入装置を排除して3.5kg軽量化。最高出力797ps/7900rpm、最大トルク804Nm/6250rpmで、レブリミットは8000rpmになっている。

このエンジンには前2基、後1基の電気モーターと8段DCT(デュアルクラッチ式自動MT)が組み合わされる。2つのモーターで前輪を、エンジンと1モーターで後輪を駆動する4輪駆動を採用。3モーター合計のシステム出力は233psで、エンジンを組み合わせたシステム総合出力はSF90ストラダーレより30psアップとなる1030psを発生する。また、7.9kWhのリチウムイオン・バッテリーを搭載し、最長25km、最高135km/hのEV走行が可能だ。



0-100km/h加速は2.3秒

走行性能は、0-100km/h加速2.3秒、最高速度320km/hは両モデルともに共通だが、0-200km/h加速はストラダーレの6.5秒に対し、スパイダーは6.7秒。さらに、一番過激な走行モードになる「クオリファイ」を選ぶと、短く急激なパワー増加を行うエクストラ・ブーストが作動。初採用となるこの制御ロジックにより、フィオラノ・サーキットでのラップタイムは0.25秒短縮できるという。

生産台数はストラダーレが799台、スパイダーが599台。イタリアでの価格はストラダーレが77万ユーロ(約1億2000万円)、スパイダーが85万ユーロ(約1億3300万円)。ほかのフェラーリのスペシャル・モデルの例に漏れず、嫁ぎ先はすべて決まっているようだ。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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