2023.09.24

CARS

乗り心地も良くするエンジン付BEVを搭載 新型センチュリーのパワートレインを深掘りする

セダン・タイプと並行する形で追加された、セダンと同じ名前を掲げるSUVスタイルの「センチュリー」。セダンが先代レクサスLS由来のV8ハイブリッドを用いるのに対し、新型センチュリーは日本市場初登場のV6ハイブリッドを搭載するなど、パワートレインも大きく異なる。今回はそんな新型センチュリーのパワートレインを深掘りする。

3.5リッターV6のPHEV

新型センチュリーのフロントには横置き3.5リッターV6にモーターを組み合わせたハイブリッドに高出力リア・モーターのe-Axleを組み合わせた「E-Four Advanced」と呼ばれる4WDパワートレインを採用。これにプラグイン、いわゆる充電機能を加えることでプラグイン・ハイブリッドに仕立てている。なお、このシステムをトヨタは「エンジン付BEV」と称している。日常使いはBEV=バッテリーEV、長距離走行はHEV=ハイブリッドとすることで、優れた環境性能と高出力と十分な航続距離による高い機動性の両立を図ったという。



システム総合出力は412ps

エンジンは2GR-FXS型で、最高出力262ps/6000rpm、最大トルク335Nm/4600rpm。モーターはフロントが182ps/270Nm、リアが109ps/169Nmを発生する。3つの動力を合わせたシステム総合出力は412psに及ぶ。

電力のみでの航続距離は69km。213kW/kmという交流電力消費量から算出すると動力用バッテリーの実用容量は14.7kWhということになる。WLTCモード燃費は14.2km/リッター、燃料タンク容量が55リッターなので、ハイブリッド走行での航続距離は781kmに達する。



駆動力配分を細かく制御

E-Four Advancedは前後駆動力配分(フロント:リア)を100:0〜20:80の間で緻密に制御し、路面状況に応じてトラクションと操縦安定性を最適化。また、発進や直進加速では60:40〜40:60、コーナリングでは進入から旋回中がほぼ50:50、脱出時には50:50〜20:80のリア寄りとして、高い走行性能と快適性を実現する。

この駆動系は乗り心地の向上にも寄与する。走行モードは「エコ」「ノーマル」「スポーツ」「カスタム」のほかに後席の快適性を最優先する「リア・コンフォート」モードを新設定。これを選択すると4輪操舵やアダプティブ・ダンパー、ブレーキ制御、駆動力配分を統合制御するとともに、細かく加減速制御ができる電動ドライブトレインを有効活用することで加速時のピッチングや減速時のノーズダイブを低減するように前後の駆動力を調整するなど、後席の快適性を最優先した走りが得られる。



約3.5〜5.5時間でフルチャージ

充電は200Vの普通充電に対応し、約3.5〜5.5時間でフルチャージを完了する。充電ケーブルは標準仕様が7.5m、オプションで15mも選べる。充電中に外部電力を利用してエアコンなどを使うことができるマイルームモードも用意される。

アクセサリー・コンセントは後席コンソール前方と荷室左側に1口ずつ設置され、AC100Vで1500Wまで対応。さらに外部給電も可能で、バッテリーのみを使うEV給電モードと、バッテリー残量が低下するとエンジンでの発電も使用するHV給電モードが設定されている。



文=関 耕一郎 写真=宮門秀行、トヨタ自動車

(ENGINE WEBオリジナル)

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