2023.12.10

CARS

【保存版】ランボ初の6発ドライブ!? アヴェンタドールLP700-4ロードスターとはどんなランボルギーニだったのか?【『エンジン』蔵出しシリーズ/ランボルギーニ篇】

2013年4月号掲載! ランボルギーニ・アヴェンタドールLP700-4ロードスター

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雑誌『エンジン』の貴重なアーカイブ記事を厳選してお送りしている「蔵出しシリーズ」。今回取り上げるのは、これぞランボルギーニ! といいたい並外れた存在感を放つアヴェンタドールの、2013年に登場したオープン・バージョンのLP700-4ロードスターにモータージャーナリストの西川淳がマイアミで試乗した2013年4月号の記事をお届けする。

「ランボルギーニ・アヴェンタドールLP700-4 ロードスターにマイアミで乗る 強烈な刺激、オープンで倍増!」ENGINE 2013年4月号


ところはマイアミ・ホームステッド・レースウェイ。バスを降り立ったわれわれを出迎えてくれたのは、テーマ色のライト・ブルーを筆頭に、赤・青・黄・緑・白・黒といった色とりどりのアヴェンタドール・ロードスターだった。壮観に目も眩む。

ピラーからトップは必ずグロスブラックに塗られる。

1:世界的に売れている!
2:クーペのデザインを守った!
3:パフォーマンスもほぼ同じだ!
4:今年は50周年を盛り上げる!

というプレス・ブリーフィングもそこそこに、まずはオーバルとインフィールドを組み合わせたサーキット試乗へと繰り出した。

ルーフ・パネルを付けたままインフィールドに飛び込む。ねじれ剛性がクーペに比べて数値的には低下しているとはいえ、かつて最強を誇ったポルシェ・カレラGT級ではある。素人の一生懸命走り程度では弱みを見せることなどない。走りに熱中する限り、クーペとまるで同じ感覚だ。

ついついロードスターであることを忘れ、攻め込んだ走りを大いに楽しめたのには理由があった。ボディのわずかな弛みと、ややコンフォート寄りのシャシー・セッティングが、プッシュロッド・サス+カーボン・ボディのスポーツカーの動きに、絶妙な“ため”をもたらしてくれたからだ。微小なロールはステアリングホイールを切り込むタイミングを判りやすくしてくれるし、アクセレレーターを踏み込む勇気をひと足早く引き出してくれる。フロント10対リア90がデフォルト・トルク配分のスポーツモードならば、クーペよりも断然、振り回して楽しめそうだ。

もちろん、動力性能はクーペに比べても遜色なしで、圧巻のひと言。0→100km/h加速3秒フラットは伊達じゃない(クーペのコンマ1秒落ち)。リア・ウィンドウを下げて走れば、計算されたエグゾースト・ノートと盛大なブリッピング・サウンドがカーボン・キャビンに響き渡って、とってもスーパーカーな気分である。後ろの小窓を下げてスポーツ・モードで走ることが、ロードスター最大の魅力かも知れない。

新デザインのインチアップ・オプション・ホイールを履く。オレンジ・マーカーは北米仕様。


とはいえルーフを取っ払って走らずには日本へ帰れまい。ホームステッドからマイアミ・ビーチまでの帰路でアヴェンタドールのオープンエア・モータリングを楽しむことに。

計算されたオープン状態の空力の甲斐あって、風の巻き込みはほとんどない。ふりそそぐ陽光と、周囲のざわめきを圧倒するV12サウンドでロードスター気分を実感する。

適度に力が抜け、乗り心地はクーペより圧倒的によく、やはりボディはミシリとも言わない。試しにダッシュボードの隙間に指を突っ込んでみたが、痛くなることもなかった。

車高はクーペより25mm低い!


MY13から標準装備となったアイドリング・ストップもよくできていた。エンジン停止はもちろんスタート時にも不快なノイズや振動はなく、始動時間もリーズナブル。せっかちなオーナーにはしっくりこないだろうが、嫌ならカットオフすればいい。耳目を集める信号待ちの度に煩いエンジンが急に鎮まると、ヘタクソがエンストしたようでみっともないし。

同じく新装備の気筒休止も優れモノだった。街中を6速50~60km/hくらいで流していると、エンジン音が急にくぐもって、インジケーターが点灯。ランボ初の6発ドライブ中であることを教えてくれる。作動時の振動は皆無で、非常にスムーズ。

クーペは確かにエレガントだ。けれども、ロードスターには樹脂成型ならではのドラマチックなデザインとクーペ・スタイルのままV12サウンドを楽しむ術がある。しかも動力性能でクーペに劣らないとくれば……+コストを払う価値は十分にある。

文=西川淳 写真=Automobili Lamborghini S.p.A.

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■ランボルギーニ・アヴェンタドールLP700-4 ロードスター
駆動方式 ミドシップ縦置きエンジン4輪駆動
全長×全幅×全高 4780×2030×1136mm
ホイールベース 2700mm
トレッド 前/後 1720/1700mm
車両重量 1625kg
エンジン形式 V型12気筒DOHC 48V
総排気量 6498cc
最高出力 700ps/8250rpm
最大トルク 70.3kgm/5500rpm
変速機 7段自動MT
サスペンション形式 前 ダブルウィッシュボーン/コイル
サスペンション形式 後 ダブルウィッシュボーン/コイル
ブレーキ 前後 通気冷却式ディスク
タイヤ 前/後 255/35ZR19/355/30ZR20
車両本体価格 4660万3200円


(ENGINE2013年4月号)

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