2023.11.12

CARS

6.5リッターV12が9000rpmオーバーまで一気に淀みなく回る様はもはや感動的! PHEVに生まれ変わったランボルギーニの旗艦、レヴエルトに試乗!!

生き続けることになった自然吸気V12エンジンの凄さとは?

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スーパーカーの代名詞であるクンタッチからの伝統を受け継ぎつつも新たなテクノロジーを満載にして登場したランボルギーニの旗艦、レヴエルト。イタリア・ヴァレルンガ・サーキットで試乗したモータージャーナリストの島下泰久が報告する。

ランボルギーニ史上、最大級の変革

ローマ市街からクルマでざっと1時間弱。ここも長い歴史を持つヴァレルンガ・サーキットで行なわれたレヴエルトの国際試乗会に参加して確信したのは、このクルマがランボルギーニというブランドに史上最大級の変革をもたらす存在だということだ。クンタッチから脈々と続くランボルギーニのフラッグシップV12の歴史は、今後レヴエルトの前後で区切られ語られることになる。そう断言できるほどの衝撃が、そこにはあった。一般道でステアリングを握ることは叶わず、逢瀬は4周を3スティントのきわめて短い時間に限定された。それでも、その時間はひたすらに濃密で、実力を十分に味わい尽くすことができたと思っている。



一番のトピックは、やはり電動化だ。レヴエルトはHPEV(ハイ・パフォーマンスEV)と名付けられたプラグイン・ハイブリッドを初めて採用する。これによりアヴェンタドール・ウルティマエに対してCO2排出量を30%削減しながら絶対的なアイコンと言うべき自然吸気V12エンジンの継続使用が可能となった。

それだけではない。レヴエルトはフロント左右に1基ずつ、リアに1基の計3基の電気モーターを搭載し、合計最高出力1015psという垂涎のパフォーマンスを手に入れている。さらに電気モーターによるトルクベクタリングによって、運動性能を飛躍的に向上させているのである。

パワートレインの革新に伴い、エンジン出力を一旦前方に取り出し、センター・トンネル内に置かれたギアボックスを経由して後輪に伝えていたクンタッチ以来のレイアウトが遂に改められた。センター・トンネル内に新たに収められたのは容量3.8kWhのリチウムイオン・バッテリー。ギアボックスは8段DCTに進化し、電気モーターを内蔵した上で、定石通り後方へ置かれたのだ。

それもあり全長は170mm近く伸ばされ4947mmに達している。新開発のCFRP製モノコックは4万Nm/degというねじり剛性と10%の軽量化を達成。車両重量はアヴェンタドール・ウルティマエの147kg増に留め、44:56という良好な前後重量配分も実現している。

運転席および助手席前方にそれぞれ1つずつ、そして中央に縦型の液晶ディスプレイが配置される。本文中にもある通り、ドライブ・モードの走行セレクター・ダイヤル・スイッチはステアリング・ホイールの左右に配置される


座席後方には荷物スペースが確保されている



実はサイズアップは居住性の改善も大きな理由だった。24mm増の室内高は、背の高いユーザーに対応するためだけでなくヘルメット装着も考慮してのこと。ホイールベースも80mm伸び、足元の余裕を拡大し、シート背後にゴルフバッグが置けるスペースを生み出している。フロントにもスーツケース2個を収納できるから、2人で2~3泊の宿泊くらいは十分こなせるようになった。開発テーマの1つには“アーバナイゼーション”が挙げられている。都市化というよりは日常使いが容易で、街や社会に受容される存在というぐらいに解釈すればいいだろう。電動化も使い勝手の向上も、そうした文脈の中で語られるべきポイントである。

大きくなったと連呼したが、実車は決して肥大化したようには見えない。それこそクンタッチ以来続くフォルムは健在で、それをスペースシップと呼ぶ未来的、いやSF的なディテールでまとめ上げた姿は唯一無二のものだ。各部にお馴染みY字のモチーフが使われ、デザイン部門トップのミィティア・ボルケルト氏がモーターサイクル愛好家ということから、カバー無しで剥き出しにされたエンジンなど、それっぽい要素を随所に引用。後方排気のエグゾースト・エンドは不用意に近づくと熱風を浴びることになるが、見た目と性能を両立させるデザインだという。





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