2023.11.11

CARS

スポーツカー好きの還暦オヤジにオススメのポルシェならこれ! 911がMTで乗れるカレラTが最高の理由とは?

ポルシェ911カレラTに箱根とポルシェ・エクスペリエンスセンター東京で試乗。

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軽快で俊敏なカレラT

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塩澤 僕らが911カレラに対して抱いているイメージってTとはちょっと違うよね。

村上 911も進化するにつれてどんどん良くなっている。今回、PEC東京に長期リポート車の996型カレラ4S(2005)で行った。カレラTに乗り換えたときに、18年の進化はとてつもないと思った(笑)。クルマとしての出来の良さがもう段違い。圧倒的にTの方が乗りやすい。ステアリングの軽さといい、動き出しのスムーズさといい、素晴らしいと思った。世の中の人は全員、911に乗ったほうがいいと思った。

塩澤 Tはあまりにも軽快でしょ。911カレラってもう少し重厚感みたいのがあるイメージだよね。

新井 すべての動きが俊敏ですよね。

一同 そうそう。

試乗車は7段MT仕様。軽く、爽快なシフト・フィールがクルマの清々しさに拍車をかけていた。




荒井 MTだったというのも好印象に大きく影響していると思う。あのシフト・フィールは最高だった。

村上 991型から採用された7段MTはシフト・フィールがいまいちだったんだけど、洗練されたよね。

塩澤 Tはショート・シフターが標準装備されている。

荒井 そうなんだ。それであんなに短くてスポーティなフィーリングなんだ。あと、ボディ・カラーも好き。箱根ターンパイク料金所のおじさんも「いい色だねー」と感心してた。



ポルシェのスポーティネスとは?

塩澤 僕は991型のTがすごく好きだった。清々しくて、軽くて。992型もコンセプトは同じなんだけど、変わったところがある。991型はシフトすると、カラカラと機械の音が聞こえてきた。軽量化のために吸音材とかを外したんだろうね。この992型のTは洗練されて、そういうプリミティブな感じはなくなった。そこに驚いた。

荒井 インナーのドア・オープナーがヒモじゃないんだと思った。

村上 初代ボクスター・スパイダーが出たときは、なんでもかんでも軽量化して、ちょっと荒っぽいところがあった。メカニカル・ノイズが聞こえてきたりして。だけど2代目になると、そこを全部変更してきた。屋根もしっかりしたものになったり。そういう変更はマーケティング戦略としてポルシェはやってくる。





上田 GT3がホモロゲーション・モデルからグレードとなり、一般化したのと一緒ですよ。Tもまず軽量化というコンセプトでやってみた。で、ちょっとやり過ぎだったかなというのを、綺麗につぶしていいグレードに仕上げていく。

塩澤 個人的にはプリミティブなやつ、嫌いじゃないんだけどね。

新井 やっぱり991型から992型になったというのは、大きいですよ。クルマとしての進化が大きい。

荒井 素のカレラのMTと比べると、どうなんだろうね。シフト・フィールは違うのかなあ?

塩澤 Tはポルシェのスポーティネスとはどういうものか? それをわかりやすく提案していると思う。GT3よりずっと低い速度域でそれを味わえる。

新井 空冷とは言わないけれど、996型や997型のカレラがいいなあと思っている人が乗ると、これこれって言うはず。あと、後輪駆動と4輪駆動の差がまた出てきましたね。PEC東京を走ったせいかもしれないけど、動きがまったく違った。

村上 4輪駆動でもRRと変わらない印象にしようというのがポルシェの念願で、991型ではすごく近くなった。でも、もう一度4駆を4駆っぽくするように変わってきた。

新井 今回はGTSということもあったのかもしれないけれど、明らかに後輪駆動と違う。TのRR感がすごく良かった。



塩澤 カレラとエンジンが同じというのがミソだよ。

新井 そう。TをカレラSでやらなかったのは、ポルシェの見識です。

村上 カブリオレやカレラ4GTSというのは、本来の姿に贅肉、あるいは筋肉が付いている。それらがない素の姿がTにはある。

荒井 清々しいと感じるのはそういうところなんだろうね。いろいろなクルマに乗ってきて、酸いも甘いも知り尽くした人が最後に選ぶクルマのような気がした。

塩澤 そうそう。スポーツカー好きの還暦オヤジにはオススメのポルシェですよ、ほんと。


村上 996型カレラ4Sから乗り換えると、クルマを良くするって本当にこういうことなんだと思う。クルマを作るすべての人が、素のクルマの良さってこういうことなんだと、これに乗って知ったほうがいいと思った。

◆話題はこの後、カブリオレに! 意外や白熱するオヤジたちの"カブリオレ愛"にびっくり。この続きは【911イッキ乗り その2】で!

語る人=村上政+塩澤則浩+荒井寿彦+新井一樹+上田純一郎+村山雄哉 写真=神村 聖


■ポルシェ911カレラT
駆動方式 リア縦置きエンジン後輪駆動
全長×全幅×全高 4530×1852×1293mm
ホイールベース 2450mm
車両重量 1450kg
エンジン 直噴水平対向6気筒ツインターボ
排気量 2981cc
最高出力 385ps/6500rpm
最大トルク 450Nm/1950~5000rpm
変速機 7段MT
サスペンション 前 マクファーソンストラット/コイル
サスペンション 後 マルチリンク/コイル
ブレーキ 前&後 通気冷却式ディスク
タイヤ 前/後 245/35ZR20 305/30ZR21
車両本体価格 1757万円

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(ENGINE2023年11月号)

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