2024.01.23

CARS

スーパーカーの中のスーパーカー! ランボルギーニ・アヴェンタドールLP700-4ロードスターで箱根を走る!【『エンジン』蔵出しシリーズ/ランボルギーニ篇】

ランボルギーニ・アヴェンタドールLP700-4ロードスター

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雑誌『エンジン』の貴重なアーカイブ記事を厳選してお送りしている「蔵出しシリーズ」。今回のランボルギーニ篇は、ランボルギーニの旗艦、アヴェンタドールのオープン仕様であるロードスターに試乗した2015年3月号の記事を取り上げる。カーボン・ファイバー製の着脱式ルーフを持つそれは、見た目や走りはもちろん、開放感も超弩級のオープン・スーパースポーツカーだった。


ミウラ・ロードスター・プロトタイプに由来する色

ギリシア神話の海の女神テティスから取られたのであろう「アズーロ・テティス(テティスの青)」のボディ・カラーを持つその試乗車は、周囲にいる人の目を一瞬にして釘付けにするオーラを放っていた。この色は2011年夏にデビューしたアヴェンタドールLP700-4クーペから遅れること2年、ロードスターが登場した時に加えられた新色で、1968年にわずか1台だけが作られたミウラ・ロードスター・プロトタイプに由来する色なのだという。水面のように光の当たり具合によって様々に変化する薄いブルーと、六角形を基調とした幾何学的なボディ・デザインが不思議なハーモニーを奏でて、美しいことこの上ない。

ルーフ・コンポーネントは左右2分割で各6kg未満という超軽量だ。一人で簡単に着脱可能で、フロントの荷室にうまく収納することができる。


試乗車を借り出した麻布から明治通りを抜けて首都高3号線の池尻ランプへと向かう間、どれだけ多くの人々の視線を浴びたかわからない。オーラだけではなく、低速時から、昔のスーパーカーほどではないとはいえそれなりに大きく響き渡るエンジン音が人々を振り向かせる。ましてや、このクルマにはなんとクーペの登場時にはなかったアイドリング・ストップ・システムまで付いていて、赤信号で停止するたびにエンジンの火が落ち、スタートする時に再び爆音をたてて火が入るものだから、ますます目立ってしまうのだ。カーボン・ファイバー製のルーフを外さずに乗り始めて良かった、と私は胸を撫で下ろした。どんな奴が乗っているか見てやろうとばかりに、ジロジロと刺すような視線を向けてくる輩も結構多いのだ。都内の渋滞の中を視線を浴びながらノロノロと走る姿は、このクルマには似合わない。


劇的に運転しやすくなった

やがて、高速のランプにたどり着くと、ようやく海の女神は水を得た魚のように、低音のエグゾースト・ノートを朗々と響かせて走り始めた。最初に感じたのは、記憶にあるクーペよりも乗り心地がいいということだった。どうやら、オープン・カーであることを考慮して、若干コンフォート寄りのシャシー・セッティングになっているらしい。首都高3号線名物の目地段差を超えても、激しい突き上げが襲うようなことはなかった。その一方でボディの剛性感は相当なもので、ミシリということもなければ、クーペと比べて特に落ちている感じも皆無だ。カーボン製のモノコック・ボディはそもそもが驚異的に硬く、とりわけ下半分のタブの部分がしっかりしているから、オープン化で相応に落ちても、それを感じさせないくらいの剛性が確保されているということなのだろう。



それと同時に感じたのは、前に乗ったクーペより全体の動きがスムーズになり、乗り心地がいいだけではなく、劇的に運転がしやすいクルマになっているということだった。もちろん2mを超える横幅やボディの見切りの悪さは否めないし、地べたを這うように走る視界の低さが独特の緊張感を強いてくるのだが、それでも、この手のスーパーカーとしては異例なくらい運転がイージーだと感じられる。シフト・ショックなどのギクシャク感がまったくないから、ストレスを感じることがないのだ。おそらくこれは、アヴェンタドールもデビューから数年たち、年次改良が進んだ結果で、最新のクーペも同じように進化していると思われる。

東名高速に入り、前が開けたのをいいことにアクセレレーターを踏む右足に少し力を込めれば、7段自動MTのギアが自動的に2段飛び、3段飛びでシフト・ダウンして、ドンと押し出すようなGとともにアッという間に加速して、先行車に追いついてしまう。0-100km/h加速はクーペのわずかコンマ1秒落ちのジャスト3秒というのだから、日本の高速道路では、ほんの一瞬しかアクセレレーターを踏みつけることなど叶わないというわけだ。




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