2023.10.26

CARS

トヨタ、スズキ、ダイハツ連合に1人で戦いを挑む ホンダの軽商用EV、「N-VAN e:」が先行公開

ホンダが軽商用車の電気自動車=バッテリーEV(BEV)として開発中の「N-VAN e:」をホームページで先行公開した。2030年に国内で販売する4輪車の100%をハイブリッド車を含む電動車にすることを目指すホンダが、EV本格展開の皮切りと位置付けるホンダ初の軽BEVだ。

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軽商用バンからEV化

環境負荷低減の観点から企業の電動化に対するニーズが高いことを考慮し、ホンダは需要が見込める軽商用バンからEV化を図る。パッケージングは薄型バッテリーを荷室フロア下に搭載し、フラットな床面と高い天井による大容量な荷室を構築した。また、助手席から後席までをフラットにし、長尺物の積載を可能にする。また、助手席側センターピラーを廃し、サイドの開口部を大きくとっている。インテリアは操作部を運転席側に集中配置させることでフレキシブルな収納を設置している。



「N-VAN」のデザインを踏襲

エクステリアはベースとなる内燃機関の軽商用車である「N-VAN」のデザインを踏襲しつつ、フロント・グリル部などにバンパーのリサイクル材を使用するなど環境性能に配慮。充電ポートは車両前部で、充電はより短時間でチャージできる6.0kW普通充電に対応している。外部給電もでき、停電や災害時の電源として利用することも可能だ。また、スマートフォンのアプリにより充電の量や時間、外部給電時の残充電量下限値などをリモート操作で設定できる。

パワーユニットは電動アクスルの小型化や高電圧部品の集中配置により省スペース化。エアコン消費電力を抑えるECONモードを設定し、WLTCモードで210km以上の航続距離を目標に開発が進められている。また、軽商用バン初採用の電動サーボブレーキ、大径ブレーキディスク、減速度を大きくするBレンジの設定により、安心感あるブレーキフィールと優れたコントロール性を獲得している。

安全面では運転支援装置(ADAS)のほか、軽商用バン初の運転席と助手席サイドカーテン・エアバッグを全車に標準装備する。現在はプロトタイプを使用し、6月には国内でヤマト運輸と、9月にはインドネシアで国営石油会社と共同での実用性検証を開始した。

現在、ジャパンモビリティショー2023に展示中で、発売は2024年春を予定している。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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