2023.11.10

CARS

「レクサスLMの感触は、まるでロールス・ロイス」 富士でレクサスのプロトタイプ、LM、GX、LBX、RZにイッキ乗り!

レクサスLMほか新型車のプロトタイプに試乗。

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新プレジデントに渡辺剛氏が就任し、2035年の100%電動化に向けて、新たな取り組みを進めるレクサス。その最新モデルを披露するイベントが富士スピードウェイの施設を使って開かれた。エンジン編集長のムラカミがリポートする。

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レクサスらしさとは?

トヨタの社長に就任した佐藤恒治氏の後を継ぎ、この春からプレジデントに就いた渡辺剛たかし氏の下、100年に一度の大変革を乗り切るべく積極的な新型車戦略を見せるレクサス。すでに、今春以降、中国・上海モーターショーで新型LMを、そして、イタリア・ミラノのデザイン・ウィークに新型LBXを発表しており、どちらも年内には発売予定だ。その2台に加えて、来年から日本にも導入されることになった新型GXなど、もっかレクサスが開発中の新型車のプロトタイプにイッキ乗りする“LEXUS SHOWCASE”というイベントが富士スピードウェイを舞台に開かれた。2035年には販売するクルマの100%電動化を目指すという渡辺プレジデントの挨拶の後、各グループに分かれて、試乗がスタート。私はまずRZから。

 すでに市販されているRZには、今後ステア・バイ・ワイヤーを搭載した追加モデルの発売が予定されている。そのプロトタイプに乗ることができた。


ドリフト・コースをドリフトのためではなく、普通の道に見立てて走る。まず、すでに市販されている通常のRZに乗った後、ステア・バイ・ワイヤーが装着されたプロトタイプに乗る。前回乗ったプロトタイプはロック・トゥ・ロックが150度と極端にクイックだったが、それを今度は200度にしたという。違和感は減った。しかし、今度は飛行機のような丸くないハンドルではロック付近まで切った時の操作がしにくい。まだ煮詰める余地がありそうだ。

次は、渡辺プレジデントとのラウンド・テーブル。そこで私が一番聞きたかったのは、渡辺氏が何度も口にする「レクサスらしさ」とは、具体的にどういうものを指しているのか、ということだった。それに対する渡辺氏の答えは、「クルマに乗っていただければわかります」というものに終始したが、ヒントになりそうなのが、最近のレクサスが打ち出している“プッシング・バウンダリーズ”という謳い文句だ。境界を押し広げよう、ということか。「いま、ラグジュアリーに対する価値観や期待値が大きく変わっている。その大きな変化の中でレクサス・ブランドをどう変えていくのかを考えなければなりません」と渡辺氏は語った。

2002年から北米を中心に販売されてきたGX。新型が出るのを機に、来年から日本にも導 入される。悪路走破性はひょっとするとLX以上か?


そして、その後に乗ったLM、GX、LBXの3台は、まさに“レクサスの境界を押し広げ、新たなラグジュアリーの価値観を示す”モデルだったと言えるかも知れない。

LMは、単に飛行機のファーストクラスのような後席の乗り心地が素晴しいだけではなく、ステアリングを握ってみても、ハッとさせられるくらいウルトラ・スムーズで、高級車とはこういうものかと思わされる極上の乗り味のクルマだった。冗談ではなく、私はロールス・ロイスを運転した時の感触を思い出した。

GXは間違いなく日本でも大人気となるだろう。この一見無骨で、しかし中身は断然ラグジュアリーであるというアンバランスなバランス感が、いまの時代にピッタリとフィットしていると思うのだ。

LBXは、乗ってみると見かけよりずっとドッシリとした、小さな高級車というべきクルマだった。

だが、今回のチョイ乗りだけでは、“レクサスらしさ”が十分に見えたとは言い難い。次にじっくりと乗れる機会を楽しみに待つことにしよう。


文=村上 政(ENGINE編集長) 写真=望月浩彦

(ENGINE2023年12月号)

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