2023.11.09

CARS

これからのスーパースポーツカーの楽しみ方! フェラーリSF90ストラダーレと296GTB、2台のプラグイン・ハイブリッド・フェラーリに乗って考えた「フェラーリの未来、スポーツカーの未来」

フェラーリの未来を指し示す、2台のプラグイン・ハイブリッド・スポーツカー、SF90ストラダーレと296GTB。(写真=望月浩彦)

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キイワードはダイバーシティ

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大谷 一方の296GTBは、サーキットに足を運ばずとも、公道上で十分に楽しめるスポーツカーに仕上がっていますね。

村上 そうなんですよ。しかも、V6エンジンであれだけ素晴らしいサウンドを生み出している。

フェラーリ初となるV6ミドシップ+電気モーターのプラグイン・ハイブリッド・モデルが296GTBだ。同じハイブリッドでも、SF90がフロントにも2基の電気モーターを備えた4WDであるのに対して、こちらはリアに1基だけの後輪駆動モデルとなる。


コクピットのデザインは、SF90から始まったデジタル・インターフェイスによる新コンセプトをそのまま踏襲したものだが、ロードカーを基本とする296には、助手席のダッシュボードにもオプションでデジタル・パネルを装着することができる。

大谷 誤解されがちなんですが、120度のV6って、本当にV12を半分にしたみたいにバランスがよくて、エンジン音も凄くいいんですよ。

村上 しかもハイブリッドの助けを借りてターボ・エンジンのトルク特性をうまく補正して、まるで自然吸気のような吹け上がりを実現しているでしょ。あの辺も見事です。

大谷 V6+ハイブリッドの1作目で、よくもあそこまで完成度が高い製品を作り上げたと感心しました。

村上 それに加えて重要だと思うのは、296のパワートレインは、ル・マンで優勝したハイパー・カーに直接繋がるものだということです。ある意味、レーシングカーのテクノロジーをロードカーに落とし込んだものと捉えることもできる。つまり、SF90と296GTBの2台は、公道からサーキットへ、サーキットから公道へという、フェラーリの目指す今後の多様性、ダイバーシティを象徴する存在だと私は思うんです。

ミドシップに搭載するのは完全新開発となる120度のバンク角を持つ3リッターV6ツインターボで、それに電気モーターを組み合わせ、デュアルクラッチ式8段自動MTを介して後輪を駆動する。よってEV走行時もむろん後輪駆動となる。システム最高出力は830ps。


大谷 さらにいえばフェラーリ初の4ドア・モデルであるプロサングエも誕生した。先ほどもお話ししたとおり、ラグジュアリーモデルは今後、さらに細分化した独自のマーケットを構築するようになると私は考えています。その場合、オーナーにとってはラグジュアリー・ブランドのクルマだけですべてのシーンをカバーする必要が出てくる。だとすればプロサングエのようなモデルがフェラーリから登場するのは必然であって、あれは自動車界のポストモダンを象徴していると思いますね。

村上 結局、自動車業界は巨大産業だから、これまで歩んできた100年の歴史(物語)を続けていきたい人たちもたくさんいて、次は100%電気だなんて号令を一生懸命掛け続けたりしている。なんだかとても虚しく響きます。そういう人たちとは別に、僕たちは「新たな物語」をどんどん作っていけばいいと思う。そこには電気自動車があってもいいし、ハイブリッド車があっても水素やカーボンニュートラル燃料で走るエンジン車があってもいい。もちろん、古いクルマを使い続けるのも大切なことです。

大谷 その意味でいえば、未来の自動車社会は間違いなくダイバーシティがキイワードになりますね。

村上 そうやって思い思いにクルマを楽しめる社会がクルマの未来であり、私たちの未来だと信じています

話す人=大谷達也+村上政(ENGINE編集長) 写真=柏田芳敬(メイン/望月浩彦)


■フェラーリSF90ストラダーレ・アセット・フィオラノ
駆動方式 ミドシップ縦置きエンジン+電気モーター4WD
全長×全幅×全高 4710×1972×1186mm
ホイールベース 2650mm
車両重量(車検証) 1800kg(前軸800kg:後軸1000kg)
エンジン形式 直噴90度V8DOHCツインターボ
排気量(ボア×ストローク) 3990cc(88.0×82.0mm)
最高出力 780ps/7500rpm
最大トルク 800Nm/6000rpm
システム最高出力 1000ps(モーターは前135ps×2、後204ps)
トランスミッション デュアルクラッチ式8段自動MT
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン/コイル
サスペンション(後) マルチリンク/コイル
ブレーキ(前後) 通気冷却式カーボン・セラミック・ディスク
タイヤ (前)255/35ZR20、(後)315/30ZR20
車両本体価格(税込み) 5340万円(標準モデル)+631万4000円


■フェラーリ296GTB

駆動方式 ミドシップ縦置きエンジン+電気モーター後輪駆動
全長×全幅×全高 4565×1958×1187mm
ホイールベース 2600mm
車両重量(車検証) 1660kg(前軸660kg:後軸1000kg)
エンジン形式 直噴120度V6DOHCツインターボ
排気量(ボア×ストローク) 2992cc(88.0×82.0mm)
最高出力 663ps/8000rpm
最大トルク 740Nm/6250rpm
システム最高出力 830ps(モーターは167ps)
トランスミッション デュアルクラッチ式8段自動MT
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン/コイル
サスペンション(後) マルチリンク/コイル
ブレーキ(前後) 通気冷却式カーボン・セラミック・ディスク
タイヤ (前)245/35ZR20(後)305/35ZR20
車両本体価格(税込み) 3710万円

(ENGINE2023年12月号)

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