クルマ好きが愛してやまないブランドのクルマの2台持ちに憧れるように、時計も好きなブランドのペア持ちを楽しみたい。2024年冬の時計特集は、「アイディアル・ペア～理想の2本を探せ！～」と題して、同じブランドを贅沢に2本持ちして、着け替える楽しみを提案する。編集部が信頼するエンジン時計委員会のメンバーには、組み合わせの妙を楽しむ時計の選び方を指南してもらった。人気の18ブランドから最高の組み合わせを見つけて欲しい。
ヴァシュロン・コンスタンタンからは、クラシカルな「パトリモニー」の「2 HAND」×「RETROGRADE」を組み合わせを選んだ。ブルー文字盤×ピンクゴールドケースで、ハイエンド・ブランドの表情違いを持つ。ひとつの憧憬である。
◆2 HAND◆
パトリモニー・マニュアルワインディング
上の「レトログラード・デイ/デイト」と同様に美しいブルーダイアルが印象的なこのモデルは、「パトリモニー」コレクションの中で最もシンプルな2針モデル。1950年代に通じる味わいは、ダイアルのデザインとともに、当時主流のドレスウォッチのように薄さを追求したエレガントなケース。その厚さはわずか6.79mm。ケース同様に搭載ムーブメントも手巻きで厚さが2.6mmという超薄型だ。ピンクゴールド、ケース直径40mm。3気圧防水。314万6000円。
◆RETROGRADE◆
パトリモニー・レトログラード・デイ/デイト
ダイアル上半分に約180度展開する巨大なレトログラード式日付表示と、6時位置を軸とする針による曜日のレトログラード表示との組み合わせは、ヴァシュロン・コンスタンタンの創意と美意識を象徴する伝統的なコンプリケーションのひとつ。1950年代のデザインから想を得たクラシカルな「パトリモニー」のダイアルは、新たなミッドナイトブルーの彩りによってヴィンテージルックにモダンな味わいがプラスされた。自動巻き。ピンクゴールド、ケース直径42.5mm。3気圧防水。708万4000円。
◆エンジン時計委員が指南！ これが「ヴァシュロン・コンスタンタン」のペア選び◆
趣味の良い素敵な夫婦の象徴！
2針のモデルはケース直径が40mmで、ぎりぎり日本女性の腕にもフィットする。だからこの優雅な2本の時計は、男女のパートナーの洗練されたペアウォッチにもなり得るというわけだ。男性のレトログラードモデルは上品なヴィンテージ感をたたえ、機能性と美しさを兼ね備えた顔立ち。クラシカルな2針モデルは、手巻きのため厚みも抑えられていて、華奢な手首でもエレガントに着けられるのが嬉しい。何よりこの2本がさりげなく漂わせるインテリジェンス。そして深みのあるブルーの文字盤と、ピンクゴールドのケースとの格調高いマッチング。趣味のよい素敵な夫婦の象徴としかいえないような、見事なまでのペアウォッチではないか。（ジュエリー＆時計ジャーナリスト・本間恵子さん）
研ぎ澄まされた世界に惹かれる
いわゆるドレスウォッチの最高峰である、「二針ノンデイトの時計」に憧れがある。そもそも男性用の腕時計は、何らかの目的で生まれたツールウォッチが大半で、それぞれに用途に合わせた機能がある。しかし二針ノンデイトの時計には、“美しい”という役目しかない。「パトリモニー・マニュアルワインディング」のような美しい時計をつけるのは、華やかなパーティのような時間を気にせず楽しむ場であるべきだから、時間を刻むという意味すらも曖昧にもなるだろうが、その研ぎ澄まされた世界にひかれるのだ。では普通の日はどうするか？ 実用的だが2本のレトログラード針でちょっと遊びを加えた「パトリモニー・レトログラード・デイ/デイト」がその答えだ。（時計ジャーナリスト・篠田哲生さん）
問い合わせ＝ヴァシュロン・コンスタンタン Tel.0120-63-1755
写真＝近藤正一
（ENGINE2024年1月号）
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