2023.12.17

CARS

「世界中を探しても、こんな幸せなZ1は、そうはない」 恩人から託されたBMW Z1にずっと乗り続けているオーナーの密かな誓いとは

BMW Z1とオーナーの神津さん。

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縁まで見事にビシッと刈り込まれ、鏡のように美しいグリーン。普通はゴルフ場にあるはずのものが、大きな洋風の邸宅の前の広い庭にあった。しかもそこへ、真っ赤なBMWのオープンカーがするすると滑り込んできた!

ひときわ映えるZ1

「全然大丈夫ですよ、おっしゃって下さい、どこへでも動かしますよ」

小春日和の暖かな日差しを受け、目にも鮮やかに輝く緑のグリーンの上を、真っ赤なBMWがすーっと進んで行く。後ろに見える洋風の大きな建物はクラブハウスのようだし、グリーンの片隅にはアプローチ練習用のラフまである。パターもゴルフボールもあるし、ちゃんとカップも切ってあった。でも、ここはゴルフ場じゃない。Z1のオーナー、神津富男さんの庭先なのだ。



それにしても素晴らしい場所だ。建物の背後には浅間山。Z1の奥には色づきはじめた紅葉。そして何より芝が見事だ。艶やかなZ1のふくよかなラインが、ひときわ映える。

芝にタイヤの跡が残るのではないか、重さで傷むのではないか、と不安がっているこちらの表情を察したのだろうか。神津さんは「大丈夫」と笑顔で念を押した。なんでも一代で築いた事業はすでに親族へ譲り、今では近隣の大手企業の庭園や別荘地の管理を生業とする芝のスペシャリストなのだという。でも、だからこそ、芝のことが気になった。このコンディションまで仕上げるために、どれほど前から準備をせねばならないか。相手は自然。決して一朝一夕にできるものではない。芝と接する植栽の周りや、建物へ続く石畳との際まで、雑草はもちろん、無駄な芝一本なかった。どうやってと聞けば「木の板を定規代わりにして、こう、包丁で芝の縁を切り揃えていくんですよ」と、こともなげにいう。

神津さんの芝に対する研究心や、手間暇を惜しまず綺麗にしてあげたい、という思いと同じくらいの熱意が込められているのが、長年乗り続けているこのZ1である。

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