軽い気持ちで飛びついてはいけない！　新型Cクラスの最速最強モデル、C63にモータージャーナリストの高平高輝が試乗　やる時は徹底的に情け容赦なく、がメルセデスの流儀

著者をフォロー
記事を保存

メルセデスAMG C63S Eパフォーマンスの尋常ではない性能とは？

全ての画像を見る

スパルタンな先々代を思い出す

スタートする際は音もなく滑らかに動き出すし、エレクトリックモードを選べば125km／hまでモーター走行可能というが、ちょっと踏み込めばすぐにコンフォート・モード（ドライブ・モードはレースに至るまで8種類もある）に移行してエンジンが始動する。そもそもEV走行距離は15kmに過ぎない。スポーツ、スポーツ＋、レースと攻撃的なモードに上げていくと、湿式多板クラッチを持つ9段ATのAMGスピードシフトMCTの変速も排気音も猛々しく変わり、ドライバーに覚悟を求める。

乗り心地も同様、街中では望外に当たりがソフトでしなやかだと感じられたものの、オープンロードに出てペースを上げると、これはもう硬派以外の何物でもなく、うねりのあるワインディング・ロードでは暴れるボディをねじ伏せるような感覚で、かつての6.2リッター自然吸気V8を積んだスパルタンな先々代のC63（W204）を思い出したほどである。これほどアグレッシブなのは、サーキットでのパフォーマンスを重視したのか、あるいはほぼ下ろし立ての新車だったせいもあるのか判然としないが、軽い気持ちで飛びつくことは避けたほうがいいだろう。

最後に、ほかのCクラスのラゲッジスペース容量が455リッターなのに対してC63Sは280リッターとだいぶ小さい（もちろんEDUとバッテリーのせいだ）ことにも注意されたい。

文＝高平高輝　写真＝宮門秀行

■メルセデスAMG C63 S Eパフォーマンス　
駆動方式　フロント縦置きエンジン＋モーター4輪駆動
全長×全幅×全高　4835×1900×1455mm
ホイールベース　2875mm
トレッド　前／後　1650／1580mm
車両重量（車検証記載前後軸重）　2130kg（前1060／後1100kg）
エンジン形式　直列4気筒DOHC16Vターボ＋リア・モーター
総排気量／ボア×ストローク　1991cc／83.0×92.0mm
最高出力　エンジン（モーター）　476ps/6750rpm（204ps/4500-8500rpm）
最大トルク　エンジン（モーター）　545Nm/5250-5500rpm（320Nm/500-4500rpm）
システム総合出力、トルク　680ps、1020Nm
変速機　エンジン湿式多板9段AT＋モーター2段AT
サスペンション形式　前後　マルチリンク式＋コイル・スプリング
ブレーキ　前後　通気冷却式スチール・ディスク
タイヤ　前／後　265/35R20 102Y／275/35ZR20 102Y
車両価格（税込）　1660万円

（ENGINE2024年2・3月号）

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

会員の方はこちら

続きを読む　>

タグ：

#メルセデスベンツ

PICK UP

RANKING

VIEW ALL

当サイトでのCookieの設定について

軽い気持ちで飛びついてはいけない！ 新型Cクラスの最速最強モデル、C63にモータージャーナリストの高平高輝が試乗 やる時は徹底的に情け容赦なく、がメルセデスの流儀

PICK UP

RELATED

RANKING

PICK UP

軽い気持ちで飛びついてはいけない！　新型Cクラスの最速最強モデル、C63にモータージャーナリストの高平高輝が試乗　やる時は徹底的に情け容赦なく、がメルセデスの流儀