2024.01.17

CARS

受注開始まであと1年強 ホンダとソニーの共同EV「アフィーラ」の進化版がCES2024に登場

ホンダとソニーの合弁会社であるソニー・ホンダモビリティ(SHM)が、米ラスベガスで開幕したデジタル関連の見本市であるCES2024で、アフィーラ・プロトタイプの最新版を公開した。

2025年前半に先行受注を開始

アフィーラはホンダとソニーが共同で開発を進めている電気自動車=バッテリーEV(BEV)。ブランド名と最初の車両は1年前のCES2023で発表され、量産車は2025年前半に先行受注を開始し、2026年の春に北米でデリバリーをスタートすることも公表された。



さらに量産型へ近づいた

ジャパン・モビリティショー2023にも出展されていたので、実車をご覧になった方もいらっしゃるかと思うが、今回展示されたのはその進化版だ。コンセプトやデザインなどはこれまでの流れを踏襲しており、クルマそのものはガラリと変わったわけではないが、市販に向けてより量産型へと近づいた。



標準タイプのドア・ミラーが初登場

エクステリアは前後バンパーが新しいデザインとなり、前後のライト周辺はより現実味を帯びた処理となった。

なにより、市販仕様に近づいたと思わせるのがドア・ミラーだ。これまではカメラを用いたデジタル式だったが、今回は鏡を用いたオーソドックスなミラーを装着している。デジタル式に問題があったわけではなく、市販車には普通のミラーの設定も考えていますという意思表示なのだろう。



インテリアはほぼ前モデルどおり

ボディ・サイズは全長×全幅×全高=4915×1900×1460mm、ホイールベースは3000mm。これまで発表されていた数値より全長が20mm伸びている。

全面に液晶パネルを用いたインパネをはじめ、インテリアは基本的に前年型と同じ造形。ただし、シート形状や色調などが市販に向けて手直しされている。



245psのモーターを前後に搭載

駆動方式は既報どおり4WDだが、今回は前後とも245psの永久磁石同期モーターを使用することが判明。駆動用バッテリーは91kWhのリチウムイオン式で、交流普通11kW、直流急速150kWの充電に対応する。

サスペンションはエアサス仕様であることを新たに公表された。フロントがダブルウィッシュボーン式、リアがマルチリンク式となる。タイヤサイズは前245/40、後275/35の21インチを履く。



パートナー企業を発表

車両以外でのトピックは使われる技術や新たなパートナー企業の公表だ。運転支援装備(ADAS)におけるAI活用はCES2023での発表どおりクアルコム・テクノロジーズが担当。同じくCES2023で名前の上がったエピックゲームズがインフォテインメント系を担当する。最初の進捗として、会場にARナビゲーションなどの技術が体験できるシミュレーターを設置していた。対話型パーソナルエージェントの開発はマイクロソフトと連携。そして車両開発にポリフォニー・デジタルが加わることが明らかになった。

もうひとつ発表されたのがアフィーラ共創プログラム。ブランドコンセプトの3Aのうち、「Affinity」=「協調と共生」にあたる要素だ。まだ仮称だが、ユーザーをはじめ、クリエイターやデベロッパーも含めたモビリティ開発環境をオープン化するという。

順調かつ理路整然と進むアフィーラの開発ぶりはPCやスマホの世界を思わせるが、これがBEV時代の常識になるのかもしれない。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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