M3のライバルは、なんと身内の135iクーペだった!?
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                    気を抜くと加速で負けるそんな印象は、仙台ハイランドレースウェイのハイスピード領域でも変わらない。というのも、このエンジンはM3が3900rpmで発生する40.8 kgmという最大トルクを1300rpmから5000rpmまで出し続ける。しかも直噴の緻密な燃料噴射制御によって、ターボ・エンジンでありながら10:2:1という高い圧縮比を実現しているためレスポンスが素晴らしい。だから速い! しかも扱いやすい。正直な話、サーキットを走るまでターボ・エンジンであることを忘れていたくらいだ。
今回は仙台ハイランドレースウェイをサーキットとしてではなく、速度無制限のフリーウェイとして走らせたが、ハンドリングの仕上がりも上々。135iクーペにはブリヂストンのポテンザRE050Aが装着されていた。これがランフラット・タイヤだったのだが、特有の乗り心地の堅さは感じられず、超高速の直進安定性も素晴らしいレベル。200km/hオーバーのコーナリング中であっても安心してブレーキを踏むことが出来る。それに対してM3は、気を抜くと加速で135iに負ける。が、4000rpmも回っていれば負けることはないし、シャープさを較べれば2ランク上。行儀が良すぎると評判のV8エンジンは、7000rpm手前あたりでかすかな振動が感じられるが、そこからレッドゾーンが始まる8500rpmへと再び完璧なバランスで一気に吹けきる! その加速もサウンドも官能的としか言いようがない。
ただ、E46型M3ほどではないものの、BMWお得意の演出、つまり電子制御スロットルのチューニングによってパワー感を出そうとしていることが、タイヤを限界まで使うサーキット走行においては、ほんの少し扱いにくさとなっている気がした。もうひとつ言わせてもらえば、オプション装備のEDC(エレクトロニック・ダンパー・コントロール)はないほうがステアリングの切り始めの反応がリニアで自然だ。これは今回の持ち込んだテスト車のなかにあったEDCなしのM3セダンと比較しての印象で、EDCにはさらに煮詰める余地がある。135iとM3。135iのパフォーマンスは想像以上に素晴らしいものだったが、M3の進化はそれ以上。135iにこそBMWお得意の音等の演出があっても良かったと思うが、いや、135iはもっと大人のクルマと解釈すべきなのだろう。
大井貴之の判定135iとM3は比較の対象ではない。135iはそのスタイルからは想像できないほど速いが、M3と共に「純粋結晶2台」とまとめられる代物でもない。純粋結晶は間違いなくM3!今回一緒に参加した他のテスターの判定石井昌道 M3クーペ 速さ的には135iも文句はないが、動きの質の高さは断然M3。135iは高速移動時に落ち着きのない上下動をみせ、路面の捉え方もしなやかさが今一つ。ランフラットは難しい?国沢光宏 M3クーペ「純粋に楽しめる」という点からすれば、やっぱりヤンチャなM3クーペを御指名したい。今やスポーツ・モデルって「安ければ良い」という時代じゃありません。佐野弘宗 135iクーペライバルとの性能競争、快適性競争にさらされてきたM3クーペは、今では良くも悪くも重厚長大。「小さく軽く速く俊敏」という往年のBMW精神は今や135iのほうに明瞭。清水草一 135iクーペV8M3には、真っ白な灰になるほどの燃焼感が感じられぬ。その点135iは、オタッキーに燃え尽きることができる。コンパクトなボディと、M3よりお求めやすい価格も〇谷口信輝 135iクーペ正直、どっちもすごく楽しい。好き放題振り回せます。ただし、価格差約500万円。スピリットとしては135iクーペを推したい。500万円あればブーストをイジれる。萩原秀輝 M3クーペドライバーの能力に依存する度合いが強い、つまり腕の見せ所があるM3がイチオシ。エンジンの本領を引き出すには高回転域を保ち、すべての操作を最適化する必要アリなのだ。森 慶太 135iクーペM3はBMWの良心。涙。でもE36M3初期型を超える衝撃なし。135iはウルトラ上等なAE86ターボつき。驚愕。サラブレッドにイマイチ燃えない裕福な走り屋諸君、これだよ。山田弘樹 135iクーペ乗れば確かに素晴らしいM3だが、いま登場するならば空力面でも優れた最高のFRであって欲しかった。楽しさと速さもバランスしきれてない。ピュアな楽しさは135iクーペの勝ち。吉田匠 135iクーペ当然、ドライビングの質としてはM3クーペの方が上ですね。しかし、コンパクトでパワフルな135iクーペを駆り立てる悦びも捨て難いので、僕はこの際そっちをとりましょう。渡辺敏史 135iクーペ超Dセグメント級のパフォーマンスをここまで洗練させたM3は驚愕に値する。でも、絶妙な車格、車重とそれが織りなすキレが失われたのも事実。逆にそれらを持ち合わせるのが135i。文=大井貴之 写真=柏田芳敬(ENGINE2008年8月号)
                    
                        
                                            
                    
                                            
                                                                
                    
                 
             
            
            
            
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