新型GRヤリスにWRCドライバーが監修した2台の特別仕様車を発表　各100台限定で今春発売予定

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トヨタ・ガズー・レーシング（TGR）は、新型GRヤリスをべースとした特別仕様車、「GRヤリスRZ“ハイパフォーマンス・セバスチャン・オジェ・エディション”」と「GRヤリスRZ“ハイパフォーマンス・カッレ・ロバンペラ・エディション”」を2024年FIA世界ラリー選手権（WRC）第1戦ラリー･モンテカルロにおいて披露した。

オジェとロバンペラの両選手が監修

両モデルは、これまでWRCで計8回ドライバーズ・タイトルを獲得し今年もGRヤリス・ラリー1ハイブリッドで参戦するセバスチャン･オジエ選手と、GRヤリスを駆り2022、2023年の2年連続でドライバーズ・タイトルを獲得したカッレ･ロバンペラ選手が監修した特別なGRヤリス。昨年の東京オートサロン2023に出展された従来型GRヤリスをベースにしたコンセプト・モデルの進化版で、今回発表されたモデルはベース車が2024年の東京オートサロンでお披露目した新型GRヤリスに変更されている。

両選手からのフィードバックを反映

「ラリーの現場でクルマを鍛え、成長させてくれるドライバー、その機会を与えてくださるすべてのチーム、主催者を含む関係者の皆様、そして、ファンの皆様へ敬意と感謝を伝えたい」というモリゾウこと豊田章夫会長の想いの下で開発。内外装だけでなく、4輪駆動制御にも両選手の意見が反映されている。

オリジナルのボディ・カラー

見た目からしてタダモノではない感じが漂う両モデル。まず驚かされるのはボディ・カラーだろう。オジエ・エディションは新たなマット・カラーのマットステルスグレーを、ロバンペラ・エディションは三色塗装を採用。三色塗装はロバンペラ選手のヘルメットのカラーリングを担当するデザイナーが配色したもので、カッティング・シートなどは使用せずに塗装のみで三色を塗り分けているというからさらに驚きだ。

また、オジエ・エディションには新開発したCFRP製の軽量ラリー・スポイラーを、ロバンペラ・エディションには「GRMNヤリス」と同じCFRP製の可変ウイング式リア・スポイラーが装着。また両車ともにフロント・フェンダーにWRC優勝記念デカールが備わる。ホイールはどちらもBBS製の18インチが装着されているが、両車でデザインが若干異なっている。

独自の4輪駆動制御を設定

そして4輪駆動制御についても大いに気になる。標準モデルは「ノーマル」、「スポーツ」、「トラック」の3つのモードを備えるが、両モデルは「ノーマル」に加えて、新たに2つの専用モードを設定した。

オジエ・エディションに追加されるのは、「MORIZ」（モリゾウ）モードと「SEB.」（セブ）モード。モリゾウ・モードはトラクション性能と旋回性能を高い次元で両立させる設定で、加速時は前後輪を繋ぐ電子制御油圧多板クラッチを用いたセンターデフの結合力を最大とし、制動時は必要分だけ結合を緩める。モリゾウこと豊田会長が走り込んで導き出した駆動力配分をオジエ選手が気に入り採用された。セブ・モードは前輪の旋回性を確保しながら後輪の駆動力による車両コントロールを可能にするために後輪寄りの前後駆動力配分となる。車両との一体感が味わえるほか、高速でのコントロール性を上げることでタイム短縮に寄与する。

ロバンペラ・エディションでは、「DONUT」（ドーナツ）モードと「KALLE」（カッレ）モードを新設定。ドーナツ・モードはドリフト走行やドーナツターンが得意なロバンペラ選手のためにセンターデフの結合を最大にすることでドリフト走行時のスライド・コントロール性を確保した。カッレ・モードはロバンペラ・エディションに装着される等速リア・ディファレンシャルを最大限活かす制御によりリニアな挙動特性を実現。コーナー進入で後輪を積極的に滑らすことでコーナーの脱出時に駆動力で前輪が引っ張るような運転が可能となりタイム短縮に寄与する。

2024年春頃に抽選申し込みを開始

両モデルとも各100台の限定販売で、2024年春頃に全国のGRガレージを通じて抽選申し込みを開始する予定だ。なお、価格についてのアナウンスはない。また成約者には、WRCに参戦する「トヨタ・ガズー・レーシング・ワールド・ラリー・チーム」に関する特別体験プログラムの提供を予定している。

なお抽選開始に先駆け、2024年2月15－18日に名古屋駅JRゲートタワー前広場において両モデルの展示を予定している。

2人のTGR-WRT選手が本気で走り込み、意匠にも拘って納得いくまで作り込んだGRヤリスの限定車。気になる方は多いに違いない。