2024.02.17

CARS

0-100km/h加速はたったの2.4秒 ポルシェ市販車史上最強モデルを持つ新型タイカンがデビュー

ポルシェ初の電気自動車=バッテリーEV(BEV)として、2020年6月に日本で発売された「ポルシェ・タイカン」。日本導入を記念して、原宿駅近くの「jing」で期間限定のポップアップストア「Porsche Taycan Popup Harajuku」(ポルシェ・タイカン・ポップアップ原宿)をオープンさせるなど、積極的なマーケティングを展開したのも記憶に新しい。

累計台数は約13万台

タイカンは、2015年9月にフランクフルト・モーターショーで発表されたコンセプト・スタディの「ミッションE」を市販車として具現化した。2019年9月にベルリンなど世界3大陸で同時に華々しくワールドプレミア。累計生産台数は約13万台に達し、同社の電動化のイメージリーダーとしての役割も十分に果たしている。



すべての面でアップデート

そんなタイカンに2024年2月に初のビッグ・マイナーチェンジが実施された。新型タイカンとワゴン・スタイルの「タイカン・クロスツーリスモ」は、内外装デザインはもちろん、BEVとしての電費や出力などすべての要素を渡ってアップデートされている。



よりスタイリッシュに

前後ライトが新しくなったエクステリアはよりスタイリッシュに洗練されただけでなく、フロント・フェンダーも刷新され、ワイド感をさらに印象づけている。一新されたヘッドライトは高解像度HDマトリックス・テクノロジーが搭載され、ポルシェとひと目で分かる4灯のグラフィックが夜間に浮かび上がり、先進性も強調されている。

リアまわりでは、リアライト・ストリップに配されるポルシェのロゴが立体的でガラスのようなデザインになった。また、イルミネーテッド仕様では乗車時や発進時にアニメーションで表現されるのも新しい。



インテリアは操作性が向上

インテリアは操作性の向上がニュースだ。メーターとセンターのディスプレイ、オプションの助手席側ディスプレイに新機能を追加しつつ、最適化されたユーザー・インターフェースを用意した。ステアリングの走行モード切り替えスイッチが標準化され、「スポーツクロノ・パッケージ」と「パフォーマンス・バッテリー・プラス」仕様は、モード・スイッチに専用の「プッシュ・トゥ・パス・ボタン」を加えている。

ステアリング左裏の新しいコントロール・レバーによりドライバー・サポートの機能がより直感的に操作することが可能になった。また、「Apple CarPlay」がディスプレイに完全に統合され、新しい車載ビデオ機能により、センターディスプレイと助手席側ディスプレイでのビデオストリーミングも享受できるようになっている。



最強モデルは952ps

メカニズム面でのアップデートも抜かりはない。駆動用バッテリーをはじめ、ソフトウェアが改良されたインバーターやサーマルマネジメントの改良、次世代ヒートポンプの採用などにより高効率化が図られている。

ポルシェだけにハイパワー化による動力性能の向上も当然図られた。全グレードで改良前モデルを最大109ps(80kW)上回るリア・モーターによりハイパワー化も両立。ベーシック・グレードの「タイカン」は、改良前よりも82ps(60kW)向上、最上級グレードである「ターボS」は190ps(140kW)の出力が上乗せされるローンチコントロールが追加され、システム出力は952ps(700kW)に到達する。さらに、「スポーツクロノ・パッケージ」に加わった新機能「プッシュ・トゥ・パス」を使えば、グレードに応じて最大70kWのブーストを享受できるのもトピックだ。

最大15kgの軽量化に加えて、リア・モーターの出力向上などにより「タイカン」は0-100km/h加速を4.8秒、「ターボS」は2.4秒でクリアする。改良前と比べてタイカンが0.6秒、ターボSは0.4秒短縮した。



航続距離を175km延長

394ps(290kW)から544ps(400kW)へと最大回生性能も引き上げることで、高速域からの減速時の回生量も増加している。加えて、全グレードに空力性能の向上が盛り込まれたアルミホイールと転がり抵抗を低減させたタイヤを装着することでさらなる省電費化に寄与。航続距離は175km(35%増)延び、一充電あたり最大で678km(WLTP)に達している。

航続距離の伸張によりロング・ドライブ時の充電回数が減るだけでなく、充電速度も向上している。「タイカン4S」に標準の「パフォーマンス・バッテリー・プラス」の総容量は93kWhから105kWhに増加している。



装備も充実

装備の充実化も図られ、フロント・シート・ヒーターをはじめ、ルート案内時に快適で最短ルートを導き出す「ポルシェ・インテリジェント・レンジマネージャー(PIRM)」、スマホのワイヤレス充電式トレー、アンビエント照明、前席両側の充電ポート、ドライブモード・スイッチ、速度感応式パワステの「パワーステアリング・プラス」なども標準装備される。

価格は「タイカン」が1370万円、「タイカン4S」が1650万円、「タイカン・ターボ」が2289万円、「タイカン・ターボS」が2746万円。改良前と比べて84万円〜137万円のアップとなっている。

「タイカン4クロスツーリスモ」が1507万円、「タイカン4Sクロスツーリスモ」が1670万円、「タイカン・ターボ・クロスツーリスモ」が2308万円。こちらも改良前よりも37万円〜101万円高い設定となっている。



文=塚田勝弘

(ENGINE WEBオリジナル)

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