とかく高級なイメージで語られがちなフランス・ボルドー産のワイン。だが税込5000円以下のワイン232本をブラインド・テイスティングしたところ、意外な結果が……。
1本10万円以上のワインもざらにあるが……
ハレの日に飲む高級な赤ワイン……。ボルドー産のワインに、そんなイメージを抱いている日本人はいまだ少なくない。実際に、シャトー・マルゴーやシャトー・ラトゥールといった1級畑のワインは1本10万円を超えることがざらだし、人気シャトーであればセカンド・ラインであっても数万円はする。だが、「パリなどで親しまれているボルドーの多くは、日本円にして1000円台と手ごろなもの。彼らにとっては高級ワインというよりデイリーワインです」こう話すのは、日本ソムリエ協会の副会長、石田博さん。地元の生産者、小売・卸売業者を統括するボルドーワイン委員会が日本で展開するキャンペーン『Re BO RDEAUX』のプロフェッショナル・アンバサダーとして、税込1500円~5000円で買えるワイン50本をセレクトしたのだ。
ブラインド・テイスティングで
「私を含む5人の審査員が、候補にあがった232本のワイン(すべて5000円以下)をブラインド・テイスティングして決めました。結果的に3000円台以上のワインが中心になると思っていたんですが、高得点のものには2000円台以下のものが多くて驚きました」(石田さん)1000円台でもボルドーの特徴を表した滑らかで骨格のしっかりした味わいのもので、6本選ばれた白ワインも香り豊かでフレッシュ。ハイレベルだったという。
シャトー・アルノー・ジュアン・キュヴェ・プレスティージュ 1862年創設の歴史あるシャトー。熟成感のあるクラシックボルドー。ドライハーブや干草のニュアンス。タンニンが緻密でなめらか、バランスに長けた、しなやかな味わいの赤ワインだ。1680円(税込)大西洋からの暖流による温暖な気候と、ブドウ栽培に適した水はけがよくミネラルに富んだ土壌地、いわずと知れた国際的なブドウ品種、そして長年にわたり育まれた生産者たちの英知。まさに“Gifted Wine Region”(恵まれたワインの土地)と呼ばれる所以だが、この地方をさらに特徴づけるのは、他とは比べ物にならない栽培地の規模だという。石田さんが続ける。「ボルドーのブドウ栽培面積は、国内の厳しいワイン法をクリアしたAOP(原産地呼称保護ワイン)のものだけでも約11万ha。ちなみにブルゴーニュは約3万ha、カリフォルニアのナパ・ヴァレーが約2万haです。これだけの規模と高い生産能力があるからこそ、安価でありながら、質の高いワインを大量生産できる。2000円台以下のブルゴーニュでボルドーと同等の品質のものを見つけるのは困難です」近年は生産者の世代交代も進み、ボルドーでは難しいとされていたオーガニックなワインや、新旧の多彩なブドウ品種を使ったワインづくりに挑戦する人も増えている。今回は50本の中から、さらに石田さんに厳選してもらった5本を紹介。安くても満足のできる“普段飲み”ボルドーの実力をきっと実感できるはずだ。
ミッシェル・リンチ・オーガニック・ブラン メドック格付5級の「シャトー・ランシュ・バージュ」をはじめとする数々のシャトーを運営する大手名門による白ワイン。質と価格に安 定感があり、熟したフルーツや花などアロマティックで、わかりやすく、親しみやすい味わい。2150円(税込)
■今回、選ばれた「セレクション 50 ボルドー2024」の銘柄はこちらから
『Re BORDEAUX』ホームページ https://www.bordeaux-wines.jp/
※4月17日(水)に今回、選ばれた50本のワインを試飲できる『Re BORDEAUX | Undiscovered 2024』を代官山 T-SITEで開催します。詳細は『Re BORDEAUX』ホームページ内より。
文=永野 正雄(本誌)
(ENGINE2024年4月号)
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