2024.06.04

CARS

「これは"ラグジュアリー・スーパースポーツ"といいたくなるクルマだ」 モータージャーナリストの斎藤聡がマセラティMC20チェロほか5台の注目輸入車に試乗!

モータージャーナリストの斎藤聡さんが5台の注目輸入車に試乗

全ての画像を見る


advertisement


ジャガーIペイス RダイナミックHSE「ワクワクが止まらない」

Iペイスに乗って走り出し、この日何度目か往復する西湘バイパスを淡々と走りながら、かつて都内から白馬までドライブしたことを思い出した。すこぶる快適でストレスのないドライブだった。加減速は足先の動き一つで自由自在。深くアクセレレーターを踏み込めば超絶強力な加速性能を見せてくれるし、微細なスピード・コントロールも思いのまま。東京→白馬、300km弱ある行程を無充電で行けてしまう足の長さまである。それにしても上質な乗り味だ。本来ドタンバタンと路面の継ぎ目がうるさい西湘バイパスの不快なショックを見事にいなしており、穏やかな気分になってくる。それでいて退屈しないのはどういうことなのだろう。きつい上り坂のワインディング・ロードに入り、アクセレレーターを深めに踏み込む。その瞬間、車重がふっと消えたように強力な加速Gが体を包む。カーブではバッテリーをフロアに積む重心の低さがしなやかなサスペンションを抑え込むような安定性を見せてくれる。先ほどまで穏やかだったIペイスはEVスポーツの貌を見せる。楽しい。そしてワクワクが止まらない。




マセラティMC20チェロ「ラグジュアリー!」

空気がピンと張りつめたように冷たい朝イチの試乗枠。「屋根、開けますか」の問いかけに「はい」と即答するEPC会員さん。聞かなきゃよかったと半ば後悔しながら、チェロの名前のとおり空を楽しむモードに。 V6 3リッターツイン・ターボは630馬力/730Nmを発揮。どう考えたって過剰である。しかし過剰こそが有難く尊いのがスーパースポーツの世界。果たしてマセラティのお点前は。まず感心したのはボディの硬さ。ものすごく剛性感がある。多分剛性も相当高いのだと思う、その硬いボディに取り付けられたサスペンションは路面からのショックをじつにしなやかに受け止め収束させる。コーナーではしなやかに動くサスペンションが、タイヤを路面にヒタッ! と密着させ吸い付くような安定性を見せてくれる。そしてびっくりするくらい乗り心地がいい。ごつごつしたところが一切なく、エレガントなマセラティのテイストをスーパースポーツでも実現しているのだ。帰りのクローズド・ルーフのほっとする暖かさはさらに幸せだった。ラグジュアリー・スーパースポーツといいたくなるクルマだった。




マクラーレン・アルトゥーラ「瞳がキラキラ!」

アルトゥーラのコクピットに収まり、クルマへの興味を隠すことなくキラキラと目を輝かせているEPC会員さんを見ながら、彼に共感する部分が自分にもあることを見つけてうれしいやら気恥ずかしいやら。 マクラーレンは、アルトゥーラを新時代に向けたスーパーカーの第一弾であり、新設計シャシーにプラグイン・ハイブリッド・システムを採用した新時代のスーパーカーとして登場させた。しかもエンジンは120度V6 3リッター電動ツイン・ターボの組み合わせ。エンジン単体出力585ps/585Nmに、薄型・軽量・高トルクの新型モーター(アキシャルモーター)を採用し95ps/225Nmを組み合わせシステム出力680ps/720Nmを発揮する。いざ走らせてみると、その運転のしやすさは想像以上。駆動用モーターのアシストで低速域から力強い走りが可能。電動ツイン・ターボのレスポンスの良さは、まるで素性のいいNAエンジンのよう、操縦性も癖がなく素直の一言。さらに言うとすべての操作系が軽い。マクラーレンは大丈夫。きっとまだまだ楽しいクルマを作ってくれるはずだ。

文=斎藤聡

(ENGINE2024年4月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement