2024.05.31

CARS

「極上の乗り心地や室内の上質感はGクラスを上回る」 モータージャーナリストの渡辺慎太郎がランドローバー・ディフェンダー110ほか5台の注目輸入車に試乗!

モータージャーナリストの渡辺慎太郎さんが5台の注目輸入車に試乗

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モータージャーナリストの渡辺慎太郎さんがエンジン大試乗会で試乗した5台のガイ車がこれ! DS4エスプリ・ド・ヴォヤージュ、フェラーリ296GTS、ランドローバー・ディフェンダー110 V8、マクラーレン・アルトゥーラ、フォルクスワーゲンID.4ライトに乗った本音とは?


ブレのない個性は魅力的

大試乗会では、自分が担当するモデルを自分で決められない。数日前に編集部から送られてくるメールで初めて知ることになる。正直、「あれにも乗りたかったな」というのはあるけれど、「これには乗りたくなかった」と思ったことはいままで一度もない。魅力的なクルマばかりを集めた編集部の目利きのよさも多分にあるが、“白物家電化”などと揶揄されながらも、輸入車には依然として明確な個性が宿っているからだろう。個性丸出しでぶつかってこられると、こっちだって真剣にそれに応えなくてはならず、「いっちょやってやるか」と自然に元気の1つも出るものだ。また今回は、EPC会員の方々のタクシー・ライドも仰せつかった。みなさんクルマに対する見識が高く、クルマとの付き合い方についても一家言お持ちで、こちらのほうが大変勉強になった次第。クルマも人も、やっぱりブレない個性は魅力的なのである。




DS4エスプリ・ド・ヴォヤージュ「眺めて満足、走って楽しい」

自動車の世界では、タッチ式液晶パネルがHMI(ヒューマン・マシン。インターフェース)の主流になりつつある。多くの機能をパネル内に集約して、機械式スイッチがほとんど見当たらないなんてクルマが急速に増殖している。そんな車内の風景にいつの間にか慣らされてしまった身としては、DS4に乗り込むとその煌びやかな各種スイッチに一瞬ハッとさせられる。もちろん、センターのディスプレイはタッチ式だが、“クル・ド・パリ”と呼ばれるピラミッド形のテキスチャーやクロームの装飾により、スイッチ類が必要以上に強烈な存在感を放っている。こうした演出を過剰と思う向きにはまったくお薦めできないけれど、こういうのが好みという方はきっと実際に走らせなくても眺めたりいじったりするだけでも満足できるに違いない。乗り味は “DS”ブランドを語っているとはいえ、やっぱりシトロエンの血統である。特にこのフワッとした乗り心地はシトロエン/DSでしか味わえない。だからといって、旋回中にばね上の動きが大きく旋回姿勢がなかなか決まらないなんてことはない。ここは望外にしっかりしていて、走っても楽しいクルマだった。




フェラーリ296GTS「思想が透けて見える」

今回は奇しくもアルトゥーラとこの296GTSが割り当てられた。いずれもバンク角120度のV6とモーターを組み合わせたPHEVのミドシップスポーツカーである。駆動用バッテリーの容量もほぼ同じ。妥協なく突き詰めていくと、辿り着く先は一緒なのかと思ったりもする。いっぽうで、両極端に位置する部分もある。例えばステアリング。アルトゥーラのそれはスイッチ類が一切装着されていない。天晴れな潔さである。296GTSはウインカーまで組み込み、とにかくスイッチだらけである。どちらがいいとかではなく、ここにマクラーレンとフェラーリというスポーツカーメーカーの思想が透けて見える。回しやすさと運転への集中にこだわったマクラーレンに対し、F1のステアリングを想起させる機能性を追求したフェラーリ。GTSなのでせっかくだからルーフも開け放ってみた。ボディの剛性感に不足はまったくなく、おそらくこちらをデフォルトとし、クローズ状態では少し剛性過多になるようなボディ設計をしたのではないかと想像した。アセットフィオラノは、自分ごときにはやや手に余る戦闘力だった。

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