2024.04.14

CARS

これがエミーラV6ファースト・エディションに試乗したモータージャーナリストの本音だ!「こんなロータスもあったのか! と驚かされる」by 松田秀士

ロータス最後の内燃エンジン車、エミーラV6ファースト・エディションに2人のモータージャーナリストが試乗

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今年もやりました「エンジン・ガイシャ大試乗会」。2024年、大磯大駐車場に集めた注目の輸入車36台にモータージャーナリスト36人が試乗! トヨタV6とAMG 4気筒の2つのパワーユニットが選択できるロータス最後の内燃エンジン車、エミーラのV6ファースト・エディションに乗った松田秀士さん、山田弘樹さんの本音やいかに?


「レースカーのようなエクゾースト・サウンド」松田秀士

ロータスといえば私の世代はサーキットの狼に登場するヨーロッパがまず頭に浮かぶ。あの時代、コンパクトで恐ろしく低いスタイルは憧れの的だった。その後ヨーロッパの精神を受け継いだエリーゼの登場で、ロータスといえばコンパクトで軽量な準スポーツカーというのが長らく世のイメージだった。

巨大な2枚の液晶ディスプレイやスマートフォン・スロットなどを備える一方で、跳ね上げ式のカバーの付いた赤い始動ボタンや凝った造形のATノブなど、ロータスらしさも感じられる仕立て。リアの151リッターの荷室に加え、シート後方に208リッターのスペースも。


しかしエミーラは違う。エクステリア・デザインはエアロチックでセクシーさも併せ持つ。非常に美しいシルエットだ。そして乗り込めば最新のディスプレイに電動シートと至れり尽くせり。ラゲッジ・スペースも十分。ロータス=楽しいけれど、それなりに体力も使うアスリート系、という印象が強かったが、こんなロータスもあったのか! と驚かされる。

とはいえその気になればしっかりスポーツできるのは当たり前。トヨタ系3.5リッター V6エンジンはスーパーチャージャーで過給され405ps/430Nmを発揮。低速域から高速域まで淀むことなく加速させる。パドルを駆使すれば、まるでレースカーのようなエクゾースト・サウンドも楽しめるから、さらに元気が湧いてくるのだ。




「V6エミーラのキャラクターには、6段ATが抜群に合う」山田弘樹

AMGと共同開発を行った直列4気筒ターボと8段DCTの組み合わせが間に合わなかったのは残念だったが、既存の3リッターV6スーパーチャージャーと6段ATの組み合わせは、それを忘れさせてくれるほどマッチングが良かった。

ご存じの通りエミーラは、アルミ製バスタブシャシーを使うロータスとしては一番ワイドで大きい。車両重量も、1500kg近くある。しかしこのワイド化によって得られた適度な室内空間の広さと、ロータスならではのしなやかな足まわりによる乗り心地の良さ、そしてV6エンジンの豊かな低速トルクをトルコンATで走らせるクルージングは、とても味わい豊かなのだ。

車重の重さも良い方向へ利いているのだろう、段差をひとつ乗り越えるだけでその収まりの良さに感心し、車線変更するだけで感じられるリニアな身のこなしに嬉しくなる。

そしてアクセレレーターの開度を上げて行くと、ブーストと共にスポーツカーらしさが色濃くなり出し、お楽しみの時間が始まる。タイムを狙うような走りを望むなら6段MTの方がいい。しかしV6エミーラのキャラクターには、6段ATが抜群に合うと思う。

ロータス最後の内燃エンジン車とされるエミーラはトヨタV6とAMG 4気筒の2つのパワーユニットを選択できるが、さらに前者は6段MTと6段ATを選択可能。試乗車はこの6段AT仕様で、最高出力405ps、最大トルク430Nmを発揮する3.5リッターエンジンを車体中央に搭載し、後輪を駆動する。全長×全幅×全高=4413×1895×1226mm。ホイールベース=2575mm。車両重量=1458kg。車両本体価格=1607万1000円。


写真=小林俊樹(メインとサブ)/郡 大二郎(リア)

(ENGINE2024年4月号)

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