2024.04.03

CARS

BMWのクーペSUV、X2とiX2にポルトガルで試乗!「実にクルマ屋らしい良識のある仕事ぶり」by 渡辺敏史

BMW X2 M35i xDrive

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人肌的な感覚で躾けてある

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試乗には動力性能が肉薄するその2モデル、ガソリンのM35iとBEVの30が充てがわれた。まず居住性的に両モデルはまったく同じというわけではない。お察しの通り、30の側はBEVがゆえ搭載するバッテリーの関係で前席座面付近から後方にかけて床面が若干高くなっている。ペダル操作のスペースがある前席は影響はないが、後席は大腿部がやや持ち上がる着座姿勢になってしまうことを頭に入れておくべきだろう。

アルカンタラと合成皮革を用いたバケット・タイプのシートを装備する。

こういう比較になると、乗り心地の面では重心や重量を利してBEVの側が優位に立つことが多いが、それをも上回るフットワークをみせてくれたのが内燃機のM35iだった。標準でエアボリュームの小さい20インチ・タイヤを履くネガもものともせず、低速域から微小な凹凸にもしっかり減衰が立ち上がり、入力の角が取れた丸い乗り味をみせてくれる。





30の側で感心させられるのはアクセル操作に即応しながら出過ぎることのないトルク制御のリニアさ、そして速度コントロールのしやすさだ。BEVといえば出だしからの猛烈な加速をイメージする人も多いだろうし、iX2もそういうアウトプットは無理ではない。そこを敢えて人肌的な感覚で呼応するように躾けてある。実にクルマ屋らしい良識のある仕事ぶりだと思う。

X1に対すれば身のこなしが軽やかなハンドリングも個性のひとつ。ファーストカーとしても通用する実用性や快適性にBMWらしい敏捷性を程よく加えた、新しいX2はクセ強めなデザインとは裏腹にバランスよく仕上がった1台といえそうだ。

文=渡辺敏史 写真=BMW

■BMW X2 M35i xDrive
駆動方式 フロント横置きエンジン4輪駆動
全長×全幅×全高 4555×1845×1575mm
ホイールベース 2690mm
車両重量 ----
エンジン/モーター形式 水冷直列4気筒DOHCターボ
排気量/電池容量 1998cc
最高出力 233kW
最大トルク 400Nm
トランスミッション 7段デュアルクラッチ式自動MT
サスペンション (前)マクファーソンストラット+コイル
サスペンション (後)マルチリンク+コイル
タイヤ・サイズ(前後) 245/40R20
ブレーキ(前後) 通気冷却式ディスク
車両本体価格 810万円

■iX2 xDrive30
駆動方式 前後2モーター4輪駆動
全長×全幅×全高 4555×1845×1560mm
ホイールベース 2690mm
車両重量 ----
エンジン/モーター形式 交流同期電動機
排気量/電池容量 66.5kWh
最高出力 200kW
最大トルク 494Nm
トランスミッション ----
サスペンション (前)マクファーソンストラット+コイル
サスペンション (後)マルチリンク+コイル
タイヤ・サイズ(前後) 245/45R19
ブレーキ(前後) 通気冷却式ディスク
車両本体価格 742万円

(ENGINE2024年5月号)

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