2024.05.12

CARS

頭金なし、漢の96回払いで買った14年オチのケイマンと、新車並行でもうすぐ20年のムルティプラ エンジン編集部員のちょっと古い愛車を公開! 愛があればなんとかなる!!

エンジン編集部のちょっと古いクルマたち!

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デザインと哲学に共感

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村山 じゃあケイマンの次に新しいのは……ムルティプラですね?

塩澤 もうほぼ20年オチだけどね。

上田 4人中、唯一中古車ではなく新車に近い状態で購入しています。

英国向けに出荷されたがイタリアの港で死蔵されていたクルマが並行輸入されたところを購入。ターコイズ・ブルーの外装色は正規では輸入されなかった。クリア層が剥がれて28万円かけて全塗装を行っている。カエルみたいなこの色と、初期型のなんとも憎めない顔がお気に入りとか。

塩澤 2003年モデルを2006年に並行輸入で買いました。走行距離は20kmだったかな。僕は古いクルマが欲しくて買ったんじゃなく、本当にそのクルマが欲しいと思って手に入れているだけ。それまで乗っていたマセラティ・クワトロポルテが修理代がかさむのと、家族が大きくなったり、趣味の自転車が載せられなかったりしている時に出会った。

上田 マフラー・エンド交換時の見積もりがなんと50万円だったとか。

塩澤 娘たちの学費の方を優先してクワトロポルテは断念(笑)。でムルティプラはね、一にも二にもデザインに尽きると思うんだよ。イギリスの雑誌だったかな、世界で一番醜いクルマだって評された。でもニューヨークのMoMAでは永久コレクションに所蔵されている。どうして車体の上半分と下半分ががっちゃんこと組み合わさったようなこんな形なのか、凡人には理解不能。でも、芸術作品にはそういうことも、よくある。この形に刺激を受けて人生が楽しくなる、豊かになる。でも実は道具としてもよくできていて、そこにも共感が得られる。

ムルティプラ最大の特徴の3座横並び×2列となる座席レイアウト。トレッドが広く意外やハンドリングもいい。

上田 チーフ・デザイナーのロベルト・ジョリートさんが人生に影響を与えた「クルマのクルマ」として挙げて、本誌でご登場頂きましたね。

塩澤 自分が結婚して子供が生まれた時期に、こういうクルマがあったらいいなぁ、という思いから生まれたんだって。彼が線を引き、世に送り出すところまで結局全部やった。

上田 そういう極少数の人の想いが形になったクルマって、名車というか、世に残りますよね。スペン・キングのレンジローバーとか、ジウジアーロのパンダとか、イシゴニス博士のミニとか。時代的にも、そういうことができた最後のクルマかも。

塩澤 デザインと、それにOKを出した当時のフィアットの哲学みたいなものにも共感したんだ。今ならもう、このシート・レイアウトも含めて、絶対に世に出ないよね。

上田 側面衝突を考えたらこのサイズでは間違いなく無理。デザインもポイントだけど、その当時の技術と法規制だからできたっていうことも大きいと。これまたちょっと古いクルマでしか得られないものです。

◆編集部員のちょっと古いクルマ座談会、この続きはNBロードスターとエグザンティア篇で!

話す人=塩澤則浩+上田純一郎(まとめも)+村山雄哉+大手淳寛(ENGINE編集部) 写真=望月浩彦(ケイマン、ムルティプラ、ロードスター)/岡村智明(エグザンティア)

◆エンジン編集部アルバイトの大手くんが登場する「若者だってクルマ好き」の連載記事はこちら!

◆ムルティプラをデザインしたフィアットのデザイナー、ロベルト・ジョリートさんの「我が人生のクルマのクルマ」の記事はこちら!

(ENGINE2024年5月号)

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