2024.05.18

CARS

ちょっと古い絶版アメリカ車、モパーを愛する人たち大集合! 値段高騰! 維持は情熱! でも異端なところが好き!

集まったのはプリマス・クーダAAR(1970)、同440- 6(1970)、プリマス・ロードランナー(1970)、ダッジ・チャレンジャーRT440- 6(1970)、ダッジ・コロネット(1965)という5台

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アメリカ車好きだけれどシボレーでもフォードでもない。ストックカー/ドラッグ・レースも視野に入れた大排気量V8を搭載するクライスラーを愛する人たちが集まりました。


“モーター”と“パーツ”を組み合わせた造語!

ちょっと古いアメリカ車、なかでもクライスラーのハイ・パフォーマンス・カー、“モパー”を愛する人たちがいる。“ちょっと古いクルマ”特集ということで、私は愛車である1992年式のジャガーXJSコンバーチブルで待ち合わせ場所である公園の駐車場へ向かった。

駐車場へ入ったジャガーに振り向いた人たちの横には、赤、緑、紫など目にも鮮やかなマッスルカーが並んでいる。いやあ、それにしてもモパーたち、なんてデカイんだろう! 全長4760mmのジャガーXJSコンバーチブルが小さく見える。

PLYMOUTH CUDA AAR (1970) 榎本茂生さんとプリマス・クーダAAR(1970)/1994年に購入。AARはレースに出るためのホモロゲ・モデルで2724台作られました。特徴はすごく軽く8000rpmまで回る5.6リッターV8エンジンです。スモールブロックなのでフロントも軽い。ボンネットも差別化されていてFRPです。一番好きなところもアメリカ車とは思えない軽快さです。この排気音、このマフラーで違法改造ではない。このクルマだけが持っているものがあり、飽きません。

さて“モパー”とはもともと“モーター”と“パーツ”を組み合わせた造語で、クライスラーのパーツ部門の名称だった。1960年代になると、大排気量V8を搭載するクライスラーのモデルを愛する人たちがプライドを持って、それらを“モパー”という愛称で呼ぶようになったのだという。

ちなみに“モパー”はステランティス・グループのなかのクライスラー、ジープ、ダッジ、ラムなどのアクセサリーやパフォーマンス・パーツをいまも販売している。日本に馴染みが薄いのは、クライスラーやダッジの正規輸入がないからだろう。

この日集まったのはプリマス・クーダAAR(1970)、同440- 6(1970)、プリマス・ロードランナー(1970)、ダッジ・チャレンジャーRT440- 6(1970)、ダッジ・コロネット(1965)という5台である。

オーナーたちはイベントなどがあると集まる仲間で、モパーの専門店を通じて知り合ったのがきっかけだったそうだ。


なぜモパーなのか?

どうして、シボレーやフォードではなくモパーなのか? 集まったみなさんにモパーの魅力を聞いた。

「サイケデリックというわけではないんですけど、シボレーやフォードとは違うキャラクターを持っているんです。僕が好きになったきっかけはそこですね。エンジンが凄かったり。ただ、僕はシボレーもフォードも興味がないわけじゃないですよ。カッコイイものはカッコイイから」と言うのは、真っ赤なダッジ・コロネットに乗る内田 茂さん。

DODGE CORONET (1965) 内田 茂さんとダッジ・コロネット(1965)/ボロボロだったものを2000年からコツコツ再生して2009年に完成しました。チャレンジャーのようなスタイリッシュなクルマより、こういう無骨なやつが自分は好きなので、どうしても65年のコロネットに乗りたかった。8.5リッターV8はほかのクルマから取りました。インナー・フェンダーを広げて極太タイヤを履いてます。フル加速? もちろん後輪から白煙が出ます。助手席の人がのけぞります(笑)。

「勤めていた会社の隣にモパーに乗るご夫婦がいて、何度も見かけていいなあと思いました。雑誌を読み、知れば知るほどモパーはちょっと特殊なクルマで、どんどんのめり込んでいきました。もともとアメリカ車好きですが、いまはシボレーやフォードには興味がありません」と、モパー好きになったきっかけを話すのは、純白のプリマス・ロードランナーに乗る沼田 真さん。今日は息子さんも一緒に来た。

みんなとちょっと違うと言うのは、青いプリマス・クーダAARに乗る榎本茂生さん。

「僕は国産車を改造してドラッグ・レースに出ていたんですけど、そこにプリマス・バラクーダで参加した人がいきなり8秒台を出した。僕たちが13秒台だったときにです。そのクルマが積んでいたのがHEMIエンジン。いやあ、アメリカにはこんなメーカーがあるんだと驚きました。当時は世間に浸透していませんでしたからね」

大排気量V8の加速は爆発的だけれど、自分はそこを求めていないと言うのは、緑のプリマス・クーダに乗る網本顕一郎さん。

「買ったときはドラッグ・レースに出たこともありますけど、ちょっとクルマが可愛そうかなと。僕は独特の雰囲気を楽しんでいます」

PLYMOUTH CUDA440-6 (1970) 網本顕一郎さんとプリマス・クーダ440-6(1970)/2000年に購入。最初に買ったアメリカ車は1969年型シボレー・カマロでした。でも、そのときからモパーは気になっていました。一番気に入っているところはスタイリングです。エンジンは7.2リッターV8です。このクルマはコラム・シフト、ベンチ・シートが特徴です。またカラード・ホイールといって当時はあまりチョイスされなかったホイールを履いています。独特の雰囲気を楽しんでいます。

紫色のダッジ・チャレンジャーに乗る木ノ本尚道さんは、シボレーやフォードとの違いを次のように説明した。

「シボレーやフォードが大衆向けモデルをバンバン出したときに、クライスラーは後発だったんですよ。後発なのでちょっと異端なものを出した。大衆受けはしないけれど、ものすごく個性がある。個性の組み合わせも多彩だった。ボディ・カラーはもちろん、エンジンやトランスミションの種類、コラム・シフトかフロア・シフトか、さらにはベンチ・シートまで選べた。そういう特殊性が魅力なんです」


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