2024.05.02

CARS

520万円から買えるランドクルーザー250 ランクル300譲りのフレームとシャシーを備える

2023年8月に世界初公開されたランドクルーザー250は、ライト・デューティー系の「ランドクルーザー・プラド」を受け継ぐモデルで、サブネームのプラドの名が廃されたことでも話題を集めていた。ワールドプレミアされた際に、2024年前半の発売予定とアナウンスされていた。

TNGA GA-Fプラットフォームを採用

ランドクルーザーの中核モデルとして位置づけられている250シリーズは、生活に根ざした実用モデルというキャラが与えられた。プラットフォームは、300シリーズと同に「TNGA GA-F」で、ランクルに求められる高い悪路走破性を備えている。



3列7人乗りも設定

シート配列は、3列シート7人乗りと2列シート5人乗りの2タイプを設定。新型250シリーズでは、運転席の着座位置が後方に移動され、2列目と3列目シートの配置位置が見直された結果、951mmという広めの前後カップル・ディスタンスが確保されている。

また積載性も高く、6:4分割式のセカンドシート使用時でも408リッターの荷室容量を確保する。さらに、スイッチ操作で自動的に格納する5:5分割式で床下格納タイプのサードシート、バックドアを開けずに荷物の出し入れが可能なバックドア・ガラスハッチも採用されるなど、荷物に応じてフレキシブルに使える装備も用意している。



初の電動パワステを搭載

メカニズム面での注目は、ランドクルーザー初のEPS(電動パワーステアリング)と「SDM」(Stabilizer with Disconnection Mechanism)の採用だ。

EPSはオフロードでのキックバックの低減に加え、オンロードとオフロードを問わない扱いやすさを実現するという。「SDM」はスイッチ操作でフロント・スタビライザーのロックとフリーを切り替える機能で、オフロードでの悪路走破性や乗り心地はもちろんのことオンロードの操縦安定性を両立させたそうだ。



運転支援装置は最新版

最新の運転支援装置、「トヨタ・セーフティ・センス」はもちろん全車に採用されている。衝突被害軽減ブレーキの「プリクラッシュセーフティ」は、車両や歩行者、自転車に、自動二輪車(昼)を加え、検知範囲が拡張されただけでなく、事故割合が高い交差点での支援も拡大した。

さらに運転支援装置には「プロアクティブドライビングアシスト」も用意された。一般道などでもドライバーの運転をさりげなく支援する機能で、歩行者の横断、「飛び出してくるかもしれない」などの状況に応じたリスクの先読みを行うことで、歩行者や自転車、駐車車両に近づきすぎないようにステアリングとブレーキ操作がサポートする。



渋滞支援装備を新設定

高度運転支援技術「トヨタチームメイト」の機能である「アドバンストドライブ」(渋滞時支援)を設定。高速道路や自動車専用道路などで渋滞時(0km/h~約40km/h)に、アクセレレーターやブレーキだけでなくステアリング操作も支援する機能で、認知、判断、操作を支援することで、渋滞時の疲労軽減に寄与する。レーダー・クルーズコントロールとレーントレーシング・アシストの作動中に、ドライバーが前を向いているなど一定の条件を満たした際に使用できる。

そのほか、ドライブレコーダー(前後方)も設定された。「トヨタ・セーフティ・センス」の単眼カメラと新たに追加された後方カメラが捉えた走行中の映像が内蔵メモリに録画される。映像データは、ディスプレイオーディオでの再生はもちろん、スマホやUSBメモリに転送することで、持ち運びも可能になっている。



パワートレインは2種類

搭載されるパワートレインは、2.8リッター直4直噴ディーゼルターボ+8段ATと2.7リッター・ガソリンと6段ATを設定する。

2.8リッター直4直噴ディーゼルターボは、オフロードとオンロードでの扱いやすさを追求。500Nmの最大トルクを1600-2800rpmという実用域である低回転数で発揮することで走らせやすく、クルマを操る楽しさを実現したとしている。WLTCモード走行燃費は11.0km/リッターで、DPR(ディーゼル微粒子除去装置)や尿素SCR(選択式還元触媒)システムにより、窒素酸化物(NOx)を大幅低減。排出ガス規制の基準「平成30年排出ガス規制」に適応している。

2.7リッター・ガソリンは、最高出力163ps(120kW)、最大トルク246Nmを発揮する自然吸気(NA)エンジンで、6弾ATを組み合わせることでスムーズな加速に加えて、日常域で多用される発進から低速域でのスムーズさと下り坂での高い車速コントロール性を追求したという。「Dual VVT-i」(吸排気連続可変バルブタイミング機構)の採用や高圧縮比などにより、WLTCモード走行燃費は7.5km/リッターを実現した。



リア・デフロックも搭載

駆動方式はもちろんフルタイム4WDで、センター・ディファレンシャルにトルセンLSDを備え、ハイパワーを余すことなく4輪に伝達する。電動リア・デフロックの搭載により、優れた悪路走破性を発揮するとともに、前後駆動力配分の自由度が拡大されることで、高い走行安定性が得られるという。

ランドクルーザー250も長い納期待ちが想像されるが、サブスクの「KINTO」でも申し込みが可能だ。KINTOは、自動車保険(任意保険)や自動車税、メンテナンスなどの諸費用を含めた定額料金制。トヨタ販売店のほか、オンラインでも見積もりから契約までの一連の手続きに対応している。なお、2.7リッター・ガソリンの「VX」グレードの場合、月額5万710円(税込み)から利用できる。

そのほか、トヨタ純正用品やモデリスタ用品に加えて、新たにオフロードモデルのカスタマイズの雄として知られる「JAOS」(ジャオス)、日本のキャンピングカー・ビルダーの代表格である「Toy-Factory」(トイ・ファクトリー)からも内外装のアイテムが用意されるなど、カスタマイズやアウトドアや車中泊仕様への対応も万全といえるだろう。

価格は、ディーゼルの「ZX(7人乗り)」が735万円、「VX(7人乗り)」が630万円、「GX(5人乗り)」が520万円。ガソリンの「VX(7人乗り)」は、545万円となっている。



文=塚田勝弘

(ENGINE WEBオリジナル)

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