2024.07.16

LIFESTYLE

レクサスの新たなる挑戦 新型のラグジュアリー・ヨット『LY680』を発表 1艇8億円?のレクサスの成功の鍵とは?

新型のラグジュアリー・ヨット『LY680』

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5年前に『LY650』というクルーザーを発売したレクサスが、突如、その後継モデルを発表した。様々な改良が施されたこのモデルで、レクサスはマリン業界の新たな神話を作ることができるか? モータージャーナリストの国沢光宏がリポートする。

「売れなかった」のではなく「造れなかった」


マリン業界から撤退するとウワサされていたレクサスながら、突如『LY680』という後継モデルを発表した。なぜ撤退かといえば2019年に発売した『LY650』が4艇しか売れなかったからである。正確に言うと「売れなかった」のではなく「造れなかった」。LY650というモデル、標準的なオプションを加えて6億円というイメージ。



残念ながらこのクラスの魅力的なヨット(日本で言うクルーザーを表す)を手がける造船所は日本に存在しない。そこでLY650はヤマハのフネも造っている「Marquis」(マーキー)というアメリカの造船所に生産委託していたのだけれど、4艇の受注を受けた段階で破綻してしまった。もちろん4艇だと開発コストも回収出来ないため大赤字。

そんなことから撤退するんじゃないかと言われていた次第。しかし!

トヨタは諦めていなかった。マーキー社から“型”を引き取り、台湾の「ホライゾン」という造船所と新たに契約を結び、生産委託することを選ぶ。この造船所、素晴らしい技術を持っており、数億円する大型クルーザーの造船実績を数多く持つ。

しかもフライブリッジ(2階部分)後端が激しく振動するというLY650の決定的な弱点の対策をしてきた。フライブリッジの後ろ側に補強の棒を入れただけですが。フネを知っている人なら最初からもっと太い構造材を使っていたと思う。ちなみにデザイナーは細い棒を入れることすら「カッコ悪い」と猛反発したという。ヤレヤレだ。



一方、LY650とLY680に共通することながら、世界のフネ業界&フネ好きの間で一番の「残念」とされるのがバウ(船首部分)のデザイン。ボッテリしているし、そもそも古臭い。今のイケてる70フィート級のクルーザーって、新しさを感じさせるようになっている。クルマのレクサスにも言えることながら、デザインはイマイチ。

バウ部分だけでいいから、トヨタのデザインを根底から変えたサイモンさんに頼めばカッコよくなると思う。さらにトヨタのハイレベルな信頼性や耐久性を実現出来たら(レクサスやトヨタのディーラーを通じてパーツの供給を出来たらカンペキだ)、フネ業界の新しい神話を作れるかもしれない。マリン業界、クルマ業界と比べ見劣りする点は多い。

おっとLY680だった。LY650との違いは、船尾にあるスイミングプラットフォームを70cm伸ばし、前述の補強を入れたこと(強度的な余裕が出来たためフライブリッジの床面積を拡張出来た)。そして造船所を代えたことの3点。価格は標準的なオプションを含めれば8億円くらいになると思う。高騰するヒストリックカーの価格を考えたらリーズナブルかも。

文=国沢光宏

(ENGINE2024年6月号)

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