ミニ・カントリーマンS ALL4とJCWカントリーマンALL4
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見るからにモダンになった新しいミニ・カントリーマンの上位モデルのJCW(ジョン・クーパー・ワークス)とS ALL4の2台を連ねて春の嵐を避けながら田舎道を駆け回ってきた。
クロスオーバーよりカントリーマンの方が合ってるカクカクのライト、前後ドアを走るL字のライン、Cピラーの5角形の装飾パネル。どれもミニの歴史になかったものだ。切り立ったウインドウや高く水平な屋根、四角いグラスエリアという2ボックスのシルエットはたしかにミニのそれだけど、黄色い絨毯を敷き詰めたような長閑なたんぽぽの群生地では、なんだか居心地が悪そうな感じである。
その名はミニ・カントリーマン。BMW傘下で産まれたミニの5ドアSUVバージョンの3代目である。初代と2代目は登録商標の関係で日本ではクロスオーバーを名乗っていた。これまでも正円でないヘッドライトなど、ややワイルドでロバストな雰囲気を醸しつつ、ミニ的な憎めない愛らしさは残していて、クロスオーバーよりカントリーマンの方が合ってるなぁ、と常々思っていたから、この名称変更は歓迎したい。とはいえ見た目はちょっと都会的すぎではないか。グレーと赤の上位モデルのJCWも、緑と白のSも、白い綿毛の飛ぶ公園はなんだか落ち着かないみたいだ。今の装いではミニ・シティマンという感じである。カントリーマンの元ネタはBMC傘下、オースティン・ブランドのミニのロングホイールベース版だ。車体後ろ半分に木枠を付けた、なんともクラシカルな仕立てだった。公式ウェブサイトのコンフィギュレーターによれば、3代目カントリーマンにも、グリルの縁取りが黒くなるなど、ぐっとシックになるクラシカルなパッケージも用意されている。たんぽぽも似合うかもしれない。
こんな大きいんじゃミニじゃない、と思う人もいるだろう。とはいえ、BMW傘下になってからのミニを選ぶひとは、多くがこだわりも欲望もミニマムでなくマキシマム。5ドアで大きく背も高く4WDも選べる初代も2代目も、ここ日本では受け入れられ、ファミリーカーとしてミニの販売の中核を担ってきた。ミニからミニへの乗り換えとなれば、必ず候補に挙がるミニなのである。3代目カントリーマンはミニの歴史上、最大のミニだ。ただし、その分荷室も後席も相応に広くなるなど、市場の要求にきっちり応えている。それにサイズは大柄だけど、元々のミニのシルエットは代々踏襲。そのおかげで、着座位置が高く、視界も良く、車両感覚も掴みやすい実用車であり続けているという意味では、ほかのミニよりカントリーマンはむしろオリジナル・ミニ的なのかもしれない。
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