2024.06.13

CARS

長閑な風景より都会的なクールさが似合う フルモデルチェンジしたミニ・カントリーマンに試乗 ミニ史上最大のミニ!

ミニ・カントリーマンS ALL4とJCWカントリーマンALL4

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テクノロジーとアイデアで
 
内装は外装以上に目新しさ満載。編み込みのリサイクル素材を用いたダッシュパネルに浮かぶ丸型液晶に操作系を集約させつつ、左右どっちにひねっても始動と停止ができる縦型のつまみ型スイッチやシフト・セレクターなどの機械式ボタンを、最低限に絞り残している。シンプルさと使い勝手のバランスがいい。

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ディスプレイ表示は最大7パターンから選択可能で、走行モードにも応じて切り替わる。写真はかつてのオリジナル・ミニのセンター・メーターを模したもの。




ステアリングのスポークは左右の2本に加え、下部に布地のベルトを渡している。ポップだがけっして安っぽくはない。こうしたテクノロジーとアイデアで余計なモノを極力そぎ落とし、室内空間の広がりを感じさせるあたりも、オリジナル・ミニにちょっと通ずるものがある。

この日はたんぽぽと一緒だった数時間を除いて長く春の嵐に見舞われ、峠道を走る機会には恵まれず、僕はミニ・カントリーマンで延々と田舎道を走った。同じ道のりをJCWとSに代わる代わる乗ったけれど、いずれも初代や2代目同様、車体はとにかくがっちりどっしりしていて硬質な印象。足さばきも洗練されてはいるが基本的には似ている。高架道路の金属の継手など路面からの入力はそこそこ拾うが、突っ張る感じはせず、強固なボディのおかげもあってさっと収束する。JCWに標準の電子制御式ダンパーと20インチの組み合わせも予想よりずっと快適だったが、総じて日本のカントリーロードや高速では機械式と18インチのSの方がややあたりが柔らかで、より綺麗に粘る感じだった。

新しいカントリーマンは長閑な風景より都会的なクールさが似合う見た目だけれど、中身や仕立ては実用的でなかなかにオールマイティで、乗るひとびとがみんな笑顔になる親しみの持てるミニだと、僕は思う。

文=上田純一郎(ENGINE編集部) 写真=山田真人

日本仕様は試乗車の2台のほか、1.5リッター3気筒ガソリンのC(493万円)、2リッター4気筒ディーゼルのD(513万円)、BEVのE(593万円)とSE ALL4(662万円)の4モデル。


■ミニJCWカントリーマンALL4
駆動方式 フロント横置きエンジン4輪駆動  
全長×全幅×全高 4445×1845×1645mm  
ホイールベース 2690mm  
車両重量 1680kg  
エンジン 水冷直列4気筒DOHCターボ  
排気量/電池容量 1998cc  
最高出力 317ps/5750rpm  
最大トルク 400Nm/2000-4500rpm  
トランスミッション 7段デュアルクラッチ式自動MT  
サスペンション(前) マクファーソンストラット  
サスペンション(後) マルチリンク  
タイヤ・サイズ(前後) 245/40R20  
ブレーキ(前) 通気冷却式ディスク  
ブレーキ(後) 通気冷却式ディスク  
車両本体価格 667万円  

■S ALL4
駆動方式 フロント横置きエンジン4輪駆動  
全長×全幅×全高 4555×1845×1660mm  
ホイールベース 2690mm  
車両重量 1640kg  
エンジン 水冷直列4気筒DOHCターボ  
排気量/電池容量 1998cc  
最高出力 204ps/5000rpm  
最大トルク 300Nm/1450-4500rpm  
トランスミッション 7段デュアルクラッチ式自動MT  
サスペンション(前) マクファーソンストラット  
サスペンション(後) マルチリンク  
タイヤ・サイズ(前後) 225/55R18  
ブレーキ(前) 通気冷却式ディスク  
ブレーキ(後) 通気冷却式ディスク  
車両本体価格 566万円  

(ENGINE2024年7月号)

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