2024.05.31

CARS

EVスポーツの新たな地平を切り開く、コロンブスの卵 ヒョンデから登場したアイオニック 5のNモデルに初試乗! これが電気自動車なんてウソでしょ!?

ヒョンデ・アイオニック5Nにムラカミ編集長が試乗

全ての画像を見る
ヒョンデのスポーツ・ブランド、NがつくるとEVもこうなるということか。それはまるで内燃機関かと見紛うサウンドと走りを持っていたのだ。新時代スポーツ・モデルの地平を大胆に切り開く、ヒョンデの最注目EV、アイオニック 5 Nに、サーキットと一般道で試乗した。エンジン編集長のムラカミがリポートする。

advertisement



ナムヤンとニュルブルクリンク


そもそも、ヒョンデの“N”ブランドとは、どういうものなのか? 私がその存在を知ったのは、昨年11月に愛知県豊田市を中心に開催された世界ラリー選手権(WRC)の最終戦、ラリー・ジャパンを観戦に行ったのがきっかけだった。それまでなぜかラリーには縁がなく、観戦した経験もなかったのだが、WRCに参戦する一方で、2022年からゼロ・エミッション車に的を絞って日本再進出を図っているヒョンデから観戦ツアーに参加しないかと誘われて、これはいい機会だとふたつ返事で行くことに決めたのである。



そして、現地に赴いて知ったのが、“N”の世界だった。それはヒョンデが2015年に立ち上げた、BMWの“M”やメルセデス・ベンツの“AMG”のようなモータースポーツ・ブランドで、その名はR&D拠点のある韓国のナムヤン(南陽)と開発テストの舞台であるドイツのニュルブルクリンクに由来するという。WRC参戦車両は、まさに“N”が開発したi20Nラリー1ハイブリッドで、そのほかもツーリングカー・レース(WRC)やニュルブルクリンク24時間耐久レースなどにNブランドのレーシング・カーで参戦し、数々の勝利を挙げている。

その一方で、2017年にローンチしたi30Nを皮切りに、ラリーやレースで培った技術と経験をフィードバックさせた市販車を生産してきた。ラリー・カーのベース車両であるi20Nもそのひとつだ。そして昨年7月、Nブランド初のEV市販車としてグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで公開されたのが「アイオニック(IONIQ)5N」で、その実車がラリー・ジャパンのサービス・パークが置かれた豊田スタジアム敷地内のヒョンデ・ブースに展示されていたのだ。



パフォーマンス・ブルーと呼ばれる水色のボディ・カラーを持つそれは、説明を聞けば聞くほど、えっ、と驚かされることばかりで、まさに前代未聞の不思議な乗り物だった。なにしろ、フルEVだというのに内燃機関のサウンドを響かせて走るというのである。しかも、回転数が上がるに連れて音が高まり、シフト・パドルを引くとブリッピング音もするという。さらに4WDの前後トルク配分を電子制御して、ドリフトしやすいようにする機能までついていると聞いてビックリ。これを使ってドリフト走行を楽しんでいる映像まで見せられては、もう一刻も早く乗ってみたくてたまらない気分にさせられたのも当然と言うべきだろう。


無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement