2024.07.29

CARS

「これは素晴らしい!」と思わず声が出た! 日産ノート・オーラ・ニスモにモータージャーナリストの国沢光宏が試乗 これは新しい時代のスポーツ・モデルだ!

マイナーチェンジした日産ノート・オーラ・ニスモ。新しい時代のスポーツ・モデル。

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マイナーチェンジした日産の人気モデル、ノート・オーラ・ニスモにテストコースで試乗。モータージャーナリストの国沢光宏がリポートする。

4WDモデルを追加

最近の日産を見ると、かつてトヨタと販売台数を競い合っていたと思えないくらい元気がなくなってしまった。とはいえ「良いクルマ」を作れば、まだまだお客さんもついてくる。Bセグメントのノート・オーラをベースにスポーティ・セッティングをした「NISMO」(ニスモ)というグレードをラインナップしたところ、300万円を超える価格設定ながら大人気モデルになったという。今回試乗したのは先日改良を受けた最新スペックとなる。



最も大きな変更点は、ニスモにも後輪をモーターで駆動する4WDモデルを追加したこと。後輪モーター、標準のオーラ4WDが100Nmなのに対し、ニスモのみ150Nmにパワーアップ。前後の駆動力を積極的に使って“曲がるチカラ”を生み出す。早速試乗してみたら「これは素晴らしい!」。コーナーでステアリングを切るとストレスなくノーズはインを向き、アクセル踏むやクルマが曲がっていこうとする!





おそらくアクセル・ペダルを踏んだ直後、後輪側の駆動力配分を増やしているんだと思う。ちなみに前輪モーターは300Nmなので、後輪モーターもけっこうパワフル。タイト・コーナーが連続する区間だと軽快に向きを変え、ミドル・コーナーの立ち上がりでは後輪を振り出し気味の姿勢としたまま加速してくれる。乗り心地の質感だって高い。正統派のホットハッチです。こういったクルマを作らせたら、日産は世界トップレベルだと感心しきり。

書き遅れたがパワーユニットは日産式ハイブリッドのeパワーだ。82馬力の1.2リッター・エンジンで発電機を回し、加速時は搭載している走行用バッテリーのエネルギーも追加。FFモデルだと最大136馬力というシステム出力を発生する。走行用バッテリーが残っている状態なら、驚くほどパワフル! 普通のガソリン・エンジンでいえば1.6リッタークラスの排気量をイメージして頂ければ良かろう。もちろんBセグだと圧倒的に速い!



アクセル全開を続けると走行用バッテリーの残量がなくなり「バッテリーブースト」なしの82馬力になってしまうけれど、今やF1だって同じ。いわゆる「デブロイ」と呼ばれるモノで、速く走るため上手にバッテリー・マネージメントを考えなければならない。オーラ・ニスモもデブロイを考えながら(インパネにバッテリーの容量が表示されている)走らせると楽しい。新しい時代のスポーツ・モデルだと思う。

走り以外のこだわりも素敵だ。標準のオーラは今回のマイナーチェンジでカッコ悪くなってしまったけれど、ニスモのみ前期型のイメージを踏襲。ニスモが得意とする赤いアクセントの使い方も上手。またオプションとなるレカロのシートも良い! 私なら瞬時に迷うことなくレカロを選ぶだろう。前述の通り乗り心地も上質。フトコロに余裕ある人なら、奥様用や日常の移動の相棒に使ったらいいと思う。ぜひ試乗してみてください。

文=国沢光宏

(ENGINE2024年9・10月号)

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