2024.10.21

CARS

今や貴重な純内燃エンジン、AMG謹製のV8ツインターボは680馬力! 新型アストン・マーティンDB12に試乗!!

アストン・マーティンDB12クーペとヴォランテに試乗

全ての画像を見る
本流はクーペにあり

advertisement


モード切替も担うタッチの心地いいロータリー・スイッチの中央を押して始動する。ヴォン! とかなり勇ましさがある野太い音質だが、低音域のいかにもV8らしいドロドロした部分は見事に抑えられている。ここも変わらずのアストン流だ。

房総まで高速道路を中心に、幌を開け放ったヴォランテとクーペにかわるがわる乗ってまず感じたのは、操作系のフィーリングにきれいに統一感があること。DB11の特に初期モデルで感じたスロットルの明らかな軽さや、やけに重々しいステアリングは、見事に調律されている。

大胆に生まれ変わったインストゥルメント・パネル。



足さばきもいい。ヴォランテもクーペも車体剛性は引き上げられたとアナウンスされているが、比べると明らかに後者の方が好印象だった。21インチの超大径タイヤでも、速度域を問わずしっかりと路面をトレースするのは、改良された電子制御式ダンパーやスタビライザーが、やや緩さのあるヴォランテより、がっちりしたクーペのボディのほうにマッチしているからだろう。

とはいえ見るからに優雅なヴォランテは、高速上から田舎道まで空調も風のあしらい方が巧みで、その隙のなさにもほとほと感心した。



ロータリー・スイッチをスポーツの側へ回しモードを変えれば、そら恐ろしいほどの瞬発力を味わうこともできる。AMG各車ほどド派手じゃないが、全域に力感を漲らせた、さらに野太い音でも吠える。でも基本のGTモードなら、クルージング状態からでもこのV8はツキがよく、意のままに豊かなトルクを絞り出し、ほんとうに滑らかに、耳障りになる音もなく加速態勢に転ずる。クーペなら速度をさらに引き上げていっても、路面にぐっと張り付いているような安定感にも満ちている。DB12はコンセプトとしてスーパーツアラーという言葉を掲げているが、それはやはりクーペにこそ、よりふさわしいものだろう。

これまでアストン・マーティンはどこか荒々しい感じが潜み、ちょっとトゥ・マッチな印象が常にあった。そのワイルドさも味わいの一つとも思っていたが、DB12は洗練の度合いが大きい。特にクーペは全方位において正しい進化を遂げており、いちだんと魅力を増したと思う。

文=上田純一郎(ENGINE編集部) 写真=神村 聖

■アストン・マーティンDB12ヴォランテ
駆動方式 フロント縦置きエンジン後輪駆動
全長×全幅×全高 4725×1980×1295mm
ホイールベース 2805mm
車両重量(前軸重量:後軸重量) 1940(930:1010)kg
エンジン形式 水冷V型8気筒DOHCツイン・ターボ
ボア×ストローク 83×92mm
排気量 3982cc
最高出力 680ps/6000rpm
最大トルク 800Nm/2750-6000rpm
トランスミッション 8段AT
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン/コイル
サスペンション(後) マルチリンク/コイル
ブレーキ(前後) 通気冷却式ディスク
タイヤ(前/後) 275/35ZR21/325/30ZR21
車両本体価格 3290万円

■DB12クーペ
駆動方式 フロント縦置きエンジン後輪駆動
全長×全幅×全高 4725×1980×1295mm
ホイールベース 2805mm
車両重量(前軸重量:後軸重量) 1900(910:990)kg
エンジン形式 水冷V型8気筒DOHCツイン・ターボ
ボア×ストローク 83×92mm
排気量 3982cc
最高出力 680ps/6000rpm
最大トルク 800Nm/2750-6000rpm
トランスミッション 8段AT
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン/コイル
サスペンション(後) マルチリンク/コイル
ブレーキ(前後) 通気冷却式ディスク
タイヤ(前/後) 275/35ZR21/325/30ZR21
車両本体価格 3090万円

(ENGINE2024年11月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement