2024.10.10

CARS

これ、購入予定です! ホンダの軽商用EV、N-VAN e:にモータージャーナリストの国沢光宏が試乗 これから先、絶対注目のEV

ホンダの軽商用EV、N-VAN e:に試乗

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ホンダのEV戦略における日本市場でのカギとなるN-VAN e:。購入を予定しているモータージャーナリスト国沢光宏氏の評価は如何に。

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地方で減ってきたガソリンスタンド


このところ「電気自動車に対するアプローチが拙速過ぎた」とか「そもそも乗用車すべてを電気自動車に置き換えることなど無理」みたいな論調も出てきた。ホントのところはどうかといえば、ロングスパンで考えると電気自動車化は間違いない。ただ普及の時期は読みにくい。そんな状況のなか、ホンダが“日本における電気自動車の先駆け”になりそうなクルマを出してきた。N-VAN e:である。



今や地方に行くと急速にガソリンスタンドが減ってきた。往復30分掛かるような地域すら珍しくないほど。一方、電気なら日本全国津々浦々どこでもアクセス可能。農村の貴重な移動手段である軽商用車の場合、1日の走行距離は長くて60kmくらい。2~3時間で充電できてしまう。加えてガソリンより電気の方が圧倒的に安価。1万km走るのにガソリン12万円。電気だと5万円だ。







10万km走ったときのエネルギーコストの差は70万円。つまり電気軽商用車とガソリン軽商用車の価格差が70万円以下になると、電気自動車の普及も見えてくる。N-VANe:の価格は4人乗りで約270万円~。国の補助金55万円や自動車税の免税など考えると実質的に200万円。荷物を運ぶための黒ナンバーだと(取得のハードルは低い)さらに45万円ほど出る。

実は私も八丈島にあるリタイア後の釣り小屋で使うため購入予定だったりする。カーボンニュートラル化に熱心な東京都は国と合わせた補助金の総額で130万円! こうなるとエンジン車より安くなってしまう。電気自動車って売れれば売れるほど電池の調達コスト下がる。5年もすると軽自動車は乗用も商用も電気自動車が大きな比率を占めるようになると予想しておく。



さて。N-VAN e:の面白さは、電池を30kWhも搭載している点にある。リーフの初期モデルで24kWh。先行発売されている日産サクラは20kWh。軽自動車といえども30kWhくらい欲しいところ。15年/15万km走って性能劣化で電池容量の70%しか使えなくなってしまっても150km近い航続距離をキープできる。軽自動車の1日あたりの走行距離として考えたら必要にして十分だと考えます。

試乗もしてみた。素晴らしいのが動力性能。4人乗りモデルのモーター出力はターボ・エンジン車と同じ64馬力。低回転域から太いトルクを出すため、350kgの荷物を積んでキツい登り坂にさしかかったって余裕たっぷり。オプションのアダプターを買えばクルマから100V/1500Wの電力を引き出せるため、外出先で電動工具を使えるし、自然災害時にも心強い。

文=国沢光宏 写真=ホンダ

(ENGINE2024年11月号)

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