2024.10.06

CARS

【速報!】価格は3億8000万円以上!?  マクラーレンから、F1、P1の後継車となる1275馬力のアルティメット・スーパーカー、W1登場! ただし、限定399台が既に売約済み

W1の車名は、ドライバーズ・チャンピオンとコンストラクターズ・チャンピオンというふたつのF1タイトルに由来する。

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2024年10月6日、マクラーレンは1992年登場のF1ロードカー、2013年のP1に連なる「1」モデルの血統を引き継ぐ究極のスーパーカー、W1を発表した。マクラーレン史上最大の1275馬力を発生するV8ハイブリッド・パワートレインをミドシップに搭載し、公道走行可能なマクラーレン・モデル史上最速の性能を誇るW1とはいかなるモンスター・マシンなのか。内覧会に参加したジャーナリストの西川 淳が報告する。

3億8000万円超え、世界限定399台でも完売

10月6日、マクラーレンが全く新しいハイパーカーを発表した。その名もW1。ちょうど50年前のこの日、マクラーレンはF1選手権において初のドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルを決めている。今一度、その功績をアピールすることでスーパーカー界においてもワールドチャンピオンになることを改めて宣言したというわけだ。

W1はもはや伝説となったF1、復活のシンボルとなったP1に続くアルティメットシリーズであり、価格は2ミリオンポンド以上、世界限定わずかに399台(すでにアロケーション済み)、その性能はスピードテールやセナを大きく上回るというから凄まじい。

デザインはもちろん、マクラーレンお得意のカーボンファイバーボディ(アエロシェル)、シャシー&サスペンションシステム、さらにはV8ツインターボエンジン+1モーターのハイブリッドパワートレーンまで、全てが新設計である。

キャビンフォワードの典型的なミドシップ・スポーツカーのプロフィールを持つW1。この写真では、リア・ウイングは収納された状態になっている。

正式発表を前に限られたメディアをMTCに招待し、スニークプレビューが開催されたのだが、アンベールになった瞬間、実にマクラーレンらしいハイパーカーだと思った。ぱっと見はとてもシンプルだったからだ。けれどもよくよく目を凝らせば、空力モンスターであることが分かる。特にドア周りやリアエンドがロードカー離れしていた。タイヤの露出度もロードカー随一だろう。

ディヘドラル式をやめ完全なガルウィングドアとなったが、その断面を見て卒倒しそうになった。まるで最新F1マシンのフロントウィングのように3枚のパネルが結合していた。さらにリアエンドは30cmも後方へと伸びる可動式ロングテールだ。

ドアはマクラーレンでは初めてガルウイング状に真上に開くようになった。マクラーレンはこれを「アンヘドラル・ドア」と呼んでいる。アンヘドラルとは、円弧の一部のような曲線を描く形状を言うらしい。

注目のパワートレーンだが、次世代を担う新たな4リッターV8ツインターボエンジンは単独で928psを誇り、これに347psのアクシャルフラックスモーターを加えたシステム総合出力は実に1275psだ。最大トルクに至ってはなんと1340Nm。“流行り”の4WDではなく、ピュアな後輪駆動と聞いて絶句するほかない。ちなみに車重は1399kgで、P1と同程度に収まっていることもミソ。

軽量化と空力。マクラーレンのロードカー設計における2つの正義はモータースポーツ直系の証というわけであった。

それとは対照的に、アッパーボディは、流れるような印象のデザインになっている。W1のボディ・パネルは、ほとんどすべてがカーボン製だが、ルーフのセンター・パネルと上に突き出したフロー・ダイバーターだけがコンポジット製になっているのだとか。それは、フロー・ダイバーターに内蔵するアンテナの機能を高めるためだという。

文=西川 淳 写真=マクラーレン・オートモーティブ



■McLaren W1
駆動方式 ミッドシップ縦置きエンジン+電気モーター後輪駆動
全長×全幅×全高 4635mm×2074mm×1182mm
ホイールベース 2680mm
トレッド前/後 1676/1624mm
車両重量(乾燥重量) 1399kg
エンジン形式(重量) バンク角90度V8ツインターボ
総排気量 3988cc
ボア×ストローク 92×72mm
最高出力(許容回転数) 1275ps(エンジン928ps+モーター347ps)
最大トルク 1340Nm(エンジン900Nm+モーター440Nm)
トランスミッション ツインクラッチ式8段自動マニュアル
サスペンション(前後) ダブル・ウィッシュボーン/コイル
ブレーキ(前後) 通気冷却式カーボン・セラミック・ディスク
タイヤ (前)265/35R19、(後)335/30R20
車両価格(税込) 約200万ポンド+パーソナライゼーション価格

■W1の車名は、ドライバーズ・チャンピオンとコンストラクターズ・チャンピオンというふたつのF1タイトルに由来するもののようだ。西川氏も書いているように、2024年10月6日は、かつてエマーソン・フィッティパルディがマクラーレンでドライバーズ・チャンピオンに輝き、チームが初めてF1コンストラクターズ・チャンピオンシップを制して、Wタイトルを獲得してから50周年となる記念すべき日だったのだ。

ちなみに、2013年のP1は、ポジション1を表すものとされている。V8ツインターボ・エンジンに電気モーターを組み合わせるハイブリッド・パワートレインを用いているのは両車に共通するが、システム最大出力は、P1の961psからW1の1275psへと大きく進化。ただし、価格もP1の9661万5000円から約3億8000万円(1ポンド190円として計算)へと高騰している。

W1の加速性能とラップタイムは公道走行可能なマクラーレン史上最速で、0-300km/h加速でスピードテールを上回り、マクラーレンが基準とするナルド・サーキットのラップタイムではマクラーレン・セナの記録を3秒も縮めたという。0-100km/h加速は2.7秒。最高速度は350km/hで、電子的に制限される。

(ENGINEWeb オリジナル)

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