2024.11.11

CARS

いま俄然注目のフル・ハイブリッドのルノー・アルカナがフェイスリフトでお色直し モータージャーナリストの森口将之が試乗した!

ルノーのSUVクーペ、アルカナがマイナーチェンジ、同じルノー・グループのアルピーヌのエッセンスを反映した新グレードの「エスプリ・アルピーヌ」

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ちょっとお色直しをした新しいルノーのSUVクーペ、アルカナ。変更の大きなトピックは新グレードのエスプリ・アルピーヌの設定だ。スポーツシックがテーマの装いはスポーティなアルカナにとても似合っていた。モータージャーナリストの森口将之がリポートする。

新しいエンブレム

ルノーのSUVクーペ、アルカナがマイナーチェンジを受け、同じルノー・グループのアルピーヌのエッセンスを反映した新グレードの「エスプリ・アルピーヌ」で導入されることになった。我が国での新型アルカナはこの1グレード展開になる。



マイナーチェンジでは、フラットデザインの新しいエンブレムが採用されたことを受け、グリルにロサンジュの外側のみが浮かび上がる斬新な造形を採用。ルーフはボディ・カラーを問わずブラックになり、リアは新しいエンブレム、ブラックのロゴとエグゾースト・フィニッシャー、クリアレンズを使ったコンビランプが特徴だ。

499万円。

エスプリ・アルピーヌは、欧州ではすでに数車種に設定されており、スポーツシックがテーマ。たしかにアルカナでも、これ見よがしな演出はないが、フロント・フェンダーのアルピーヌのエンブレムはグラデーションがかけられ、ホイールは幾何学的なデザインで径もこれまでの18インチから19インチにサイズアップされるなど、細部までこだわりが感じられて、フランスならではのセンスがしっかり息づいていることが伝わってきた。



さらに熟成が進む

パワートレインはこれまでと同様、E-TECHフル・ハイブリッドと、マイルド・ハイブリッドが用意される。試乗したのは前者だ。1.6リッター直4自然吸気エンジンにドッグクラッチ、メインとサブの2つのモーターを組み合わせるという、ルノーらしい独創性とスポーツマインドにあふれるメカニズムは、性能数値を含めてこれまでと変わらない。



E-TECHのパワートレインは、途中で追加グレードのエンジニアードが発表されたときに、格段に洗練されたが、新型はさらに熟成が進んでいた。エンジン音がさらに静かかつ滑らかになったし、変速時のノイズやショックは感じられず、ドッグクラッチを用いたダイレクトなフィーリングをリラックスして味わうことができる。

インパネやドアのデコラティブ・パネルはマットなブラックウッド風の処理。

マイナーチェンジでは、E-SAVEと呼ばれる機構も追加された。センター・ディスプレイで選択するもので、バッテリー容量が40%以下になるとエンジンを回して充電するようになる。試乗ではもっぱらこのモードにしていたので、通常のモードよりエンジンを回し気味にしていた可能性があるが、それでも燃費は20km/リッターを楽に超えた。効率の良さは相変わらずだ。

シートはレザーフリーとなり、TEPレザーとスウェード調素材を組み合わせる。

タイヤ・サイズが215/55R18から225/45R19になったので、路面の状況はリアルに伝わるようになり、身のこなしはカチッとした。ただし足元の重さは伝わらず、エスプリ・アルピーヌという名前にふさわしい走り味に思えた。公式発表はないようだが、タイヤに合わせてサスペンションのチューニングが行われているのかもしれない。



アルカナは現在日本で売られるルノーでは唯一のクーペであり、最上級車種でもあるので、導入当初に用意されたR.S.ラインよりも、スポーツシックというコンセプトを掲げたエスプリ・アルピーヌのような仕立てが断然似合う。とはいえ個人的には、ルーテシアあたりのエスプリ・アルピーヌも見てみたい。インポーターがどのようにこのサブブランドを扱うか注目していきたい。

文=森口将之 写真=茂呂幸正

(ENGINE2024年12月号)

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