2024.11.08

CARS

これがスバルの次期主力パワートレイン! クロストレックに追加されるハイブリッドにモータージャーナリストの国沢光宏が先行試乗!!

スバル独自の改良が加えられたハイブリッド・モデルのプロトタイプに試乗!

全ての画像を見る
スバルの人気車種のクロストレックに待望のハイブリッド・モデルがいよいよ登場。トヨタ・システムをベースに水平対向縦置きエンジン用に大改造したスバル・オリジナルのハイブリッド・パワートレインのデキやいかに? モータージャーナリストの国沢光宏がリポートする。

advertisement


スバル独自の縦置きシステム

2050年のカーボンニュートラルに向け、乗用車が電気自動車になる大きな流れは変わっていない。ただ欧州メーカーの大半は急ぎすぎたと思う。2050年まで26年もありますから。過渡期の26年間、重要な役割を果たすのはハイブリッド&PHEVという流れになってきた。いや、直近の10年はガソリンを入れるだけで走り、PHEVより手軽なハイブリッド優位と言われる。



とはいえ燃費や性能が良くて安価なハイブリッド・システムを作ろうとすると、案外難しい。欧米のメーカーも何度かトライしているものの、トヨタを凌ぐパワーユニットを実現できていない。そんななか、トヨタと資本関係のあるスバルは「だったらトヨタのハイブリッドの基本を使い、スバル独自の縦置きシステムを作ります」ということにした。“スバル独自の”というあたりがキモです。



トヨタのハイブリッド・システム、今まで日産、フォード、マツダが採用してきた。しかし、それらはすべて、いわゆる「居抜き」。トヨタのハイブリッド・システムをそのまんま使い、エンジンだけ自社製とした。古今東西、買ってきたパワーユニットを載せたクルマが売れたことなし! スバルの場合、システムのレイアウトだけでなく、制御プログラムまで独自開発してきた。



実際、乗ってみたらトヨタのハイブリッドと印象が違う。最も「凄いね!」はスタートダッシュ。アクセル・ペダル全開でスタートすると、驚くくらいの加速をみせる。加えて常時前後の駆動系が機械的に繋がっているため(トヨタの前輪駆動ベースのハイブリッド4WDは後輪をモーターで駆動する)、まっすぐ走っているときのスタビリティからして違う。スバルらしいクルマの味になってます。

エンジンはほかのクロストレックと同じ水平対向4気筒ユニットを搭載するが、2.5リッターという大きい排気量を使っている。ハイブリッドの場合、排気量で最高巡航速度が決まってくる。長い登り坂やスロットル開度の大きい高速巡航は、エンジンを補う走行用バッテリーを使い切ってしまう。そうなるとエンジンのパワーだけで走らなければならない。2.5リッターあれば登り坂だって180km /h巡航できるし、モーターホームを引っ張っても余裕。



さて。じゃ100点かと聞かれたら「もっと良くなりますね!」と答える。発進加速は元気ながら、20-40km/hで走っている状態からアクセル・ペダルを踏んでも、それほど元気なし。これ、パワートレイン制御のプログラムの問題です。考えてみたらスバルにとって初めての本格的なハイブリッドだったりする。さらに熟成を進めて行くことでスバルのハイブリッドはドンドン良くなっていくと思う。

まずはクロストレックに搭載されるハイブリッド、今後、次期型フォレスターなどにも組み合わされていく。遠からずスバルの主力パワーユニットになるだろう。

文=国沢光宏

(ENGINE2024年12月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

タグ:

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement