2024.11.20

CARS

ドイツ製スポーツカーとはぜんぜん違うところが面白い アストン・マーティンDB12ヴォランテとジャガーFタイプ イギリス車の楽しさとは?

ジャガーFタイプとアストン・マーティンDB12ヴォランテ、イギリス製ドライバーズカーの2台を乗り比べる

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スポーティなFタイプ

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ジャガーFタイプに乗り換えてまず感じたのは軽さだ。DB12ヴォランテは1940kg、Fタイプは1670kgだから270kgも軽い。この軽さがFタイプをDB12ヴォランテよりスポーティに感じさせる。ドライビング・モードで表情を変えるDB12ヴォランテより、ハッキリとスポーティでわかりやすい。

最後のジャガーFタイプ、ZPエディションは国内販売12台でクーペのみ。ドアには白いレーシング・スタイル・ラウンデル(ゼッケンナンバーを張る白い丸)が描かれている。ロングノーズ&ショートデッキの美しいスタイル。

「僕はこっちの方が好きです」

24歳の編集部員、ムラヤマがFタプを指さしながら、眩しい笑顔を私に向ける。そういう溌剌さがFタイプにはある。

さて、そんなFタイプもこれが最後である。試乗したジャガーFタイプZPエディションは、2025年からBEVブランドになるというジャガーが最後のFタイプとして世界限定150台で発表した。日本にはクーペのみ12台が導入された。



フロントに搭載される5リッターV8スーパーチャージド・エンジンは、最高出力575ps/6500rpm、最大トルク700 Nm/3500rpmを発生する。0- 100km/h加速3.5秒、最高速298km/hだから、こちらもスポーツカー未満ではないかもしれない。V8スーパーチャージド・エンジンのグォオーという雄叫びはすさまじく、スポーツカー未満じゃないぜと主張する。

ジャガーのSVビスポークが手掛けた専用インテリアとなる。



スポーツカーを復活させるというジャガーのプロジェクトで2012年に登場したFタイプだが、こうして山道を走らせるといまでも軽快なフットワークに感嘆させられる。美しい後ろ姿がどこか寂しそうだ。

2台のイギリス車に乗り、運転しての楽しさにはいろいろあるのだと改めて思った。2台にはドイツ車のような精緻な機械を操る楽しさはないし、イタリア車が放つ官能性に酔うようなこともない。しかし、知性と蛮性が交じり合ったような独特の世界があり、そこを感じながら運転するのはとても気持ちがいいのだ。

私がそこに惹かれるのは年齢にも関係があると思う。

文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=茂呂幸正

■アストン・マーティンDB12ヴォランテ
駆動方式 縦置きエンジン後輪駆動
全長×全幅×全高 4725×1980×1295mm
ホイールベース 2805mm
車両重量 1940kg
エンジン V型8気筒DOHCツインターボ
排気量 3982cc
最高出力 680ps/6000rpm
最大トルク 800Nm/2750~6000rpm
変速機 8段AT
サスペンション 前 ダブルウィッシュボーン/コイル
サスペンション 後 マルチリンク/コイル
ブレーキ 前&後 通気冷却式ディスク
タイヤ 前/後 275/35ZR21 325/30ZR21
車両本体価格 3290万円

■ジャガーFタイプZPエディション
駆動方式 縦置きエンジン4輪駆動
全長×全幅×全高 4470×1925×1315mm
ホイールベース 2620mm
車両重量 1670kg
エンジン V型8気筒DOHCスーパーチャージャー
排気量 4999cc
最高出力 575ps/6500rpm
最大トルク 700Nm/3500rpm
変速機 8段AT
サスペンション 前 ダブルウィッシュボーン/コイル
サスペンション 後 ダブルウィッシュボーン/コイル
ブレーキ 前&後 通気冷却式ディスク
タイヤ 前/後 265/35ZR20 305/30ZR20
車両本体価格 2363万円

(ENGINE2024年12月号)

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