2025.02.11

CARS

2台持つとクルマはもっと楽しい! ウーズレー・ホーネットとポルシェ968という不思議な組み合わせを楽しむオーナーの、クルマ好きならではの厄介な病気(笑)とは

ウーズレー・ホーネット・マーク3レーサー(1969)とポルシェ968(1993)に乗るオーナーの棚村さん。

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ウーズレー・ホーネット・マーク3レーサー(1969)とポルシェ968(1993)。サーキットでよく見かけていたクラブマン・レーサーが最近手に入れたのはちょっと旧いポルシェ。旧い英国車を操る姿からは想像のできない選択だったが実は棚村徳人さんの心の中には、かつての愛車への想いがずっとくすぶっていたという。

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MG1100でレースを開始

東京ベイサイド・クラシック・カップ・シリーズ(TBCC)というレース形式走行会で知り合った棚村徳人さんは、レーシーな出で立ちのウーズレー・ホーネットを駆り、毎戦ギャラリーを楽しませている。ヒストリックカー・レースのフェスティバル・オブ・サイドウェイ・トロフィーにも古くから参戦してきた。



そうしたレースの世界においてもクラシック・ミニ系はオースチン、モーリス、ローバーが主流で、クラブマンが次点。ミニのバリエーションとなるウーズレー・ホーネットやライレー・エルフはほとんど見かけないという状況となっている。

そのせいか稀少モデルでサーキット・イベントにエントリーしている棚村さんは一際目を引く存在で、筆者も以前から注目していた。

1380ccエンジン、40∅のウェーバー・キャブ、ストレートカットのトランスミッション、オリジナル・マフラー(スタビを入れたときにストレートに変更)が奏でる走行音は至極レーシー。


「もともとクラシック・ミニが好きで、19歳のときに初めて買いました。初のミニは新車並行モノの1000Eで、12インチで左ハンドル」

次のクルマもミニで、今度は1000の10インチをチョイス。その後、足グルマとして360ccのホンダ・ステップバンなどの国産車を買いつつ、シトロエンAX GT、フォルクスワーゲン・ヴェントなどを迎え入れ、30代の頃にオープン・モデルのMG Bを購入。ここからさらに趣味性が強いクルマを買うようになり、ミニ・クラブマン・エステート、ポルシェ911SCタルガ、MG1100などを乗り継いだ。

歴代の愛車を伺い、後のレース参戦につながるクルマはMG Bかな? と思って棚村さんに尋ねてみたら、MG1100を買ったことでサーキット・イベントを楽しむようになったのだという。

「週末にレースを楽しむカー・ライフは、MG1100からスタートしました。まだ筑波サーキットで開催されていた頃のサイドウェイ・トロフィーに参戦していました」



ヒストリック・カーが現役だった頃の雰囲気を再現し、当時に近い姿で走らせることを目的とするこのクラブマン・レースは2012年から袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催されているので、棚村さんのレース歴は12年以上ということになる。

「MG1100を手放した後、本当は1275ccエンジンのミニ・クーパーSマークIIIが欲しかったのですが、いい縁がなくて断念。たまたま見つけることができたウーズレー・ホーネットを買いました」

再びレーシーなクルマで思い切り走りたくなって愛車探しを開始したそうだが、そのときの心境を棚村さんは空を見上げつつ、ため息まじりに教えてくれた。

「レースをやめると、またサーキット用のクルマが欲しくなり、愛車を売ってしまうと、また次のクルマが欲しくなる……。そして、時間とお金をかけてクルマがやっと仕上がった途端、満足して売りたくなってしまうから厄介なんですよね。私は、それの繰り返しでした」

モトリタのステアリング・ホイールなども所有しているそうだ。

そのような流れの中で2015年に思いがけず入手することができたウーズレー・ホーネットは、レース用の1380ccエンジンとストレートカットのトランスミッションを装備していた。棚村さんがオーナーになってから、さらにチューニング・ヘッドに交換した。

「レースに参戦するために買ったので、ウーズレー・ホーネットが手元に来てから活動を再開しました。クイックなハンドリングや渋い雰囲気、エンジン・サウンドが魅力。こだわりのポイントはGAZ減衰調整式ショックアブソーバーを装着した足まわりと、このチューニング・ヘッドですね」

ブレーキのセッティングが難しくて試行錯誤したことをはじめ、エンジン、足まわり、シートをイジったり直したりしたこともいい思い出になっている、と話してくれた棚村さんは、ウーズレー・ホーネットの撮影の最後にボソッと呟いた。

「今後、本当はノーマルに戻して乗りたい気分なんですよ」

果たしてどうなることやら。サーキットで随時見守ることにしよう。

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