2025.02.11

CARS

2台持つとクルマはもっと楽しい! ウーズレー・ホーネットとポルシェ968という不思議な組み合わせを楽しむオーナーの、クルマ好きならではの厄介な病気(笑)とは

ウーズレー・ホーネット・マーク3レーサー(1969)とポルシェ968(1993)に乗るオーナーの棚村さん。

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足グルマとして968を導入

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棚村さんが挙げてくれたかつての愛車の中には911SCタルガが入っているが、レーシーな英国車でサーキットを走りたい、という衝動と共に、ふたたびドイツ製のスポーツカーを所有したいという想いも、ずっと消えずに残っていた。

もともと944などが好きで、YouTubeをきっかけとして購入したポルシェ968はエンジン・ルーム内を含め、走りに関する部分の徹底リフレッシュが必要だったが、ポルシェ純正のクラシック車両向け1DINオーディオを装備する室内のコンディションは上々だった。


「足グルマとしてアウディA4アバントを使っていたのですが、以前の911SCのこともあり、やはりポルシェがいいな、と思っていました。それでポルシェの動画を見ていたら、たまたま968が登場するYouTubeが出てきて、おっ、コレいいな、買おうかな、という気持ちになってしまいました」

クルマ好きの多くが動画を見て満足し、実際に購入する段階までは進まないものだが、すっかりアクセル全開となっていた棚村さんは自身の心にブレーキをかけることができなかった。

「昔、911SCを所有していたときにお世話になっていたスペシャル・ショップに968のことを相談したら、ポルシェの整備を生業としているプロ中のプロが大丈夫と言ってくれたので買ってみました。しかし購入してみて分かったのですが、大丈夫な968はこのショップで長きにわたって整備してきた個体の話で、現在、街の販売店で売っているクルマはその限りではなく……」

触ったら割れたスイッチもあり、それらは新品と交換。オドメーター修復の際には照明をLEDに変更したという。


趣味車あるあるで、単独で走っているときには何も発生せず、人を乗せて走っているときにかぎって立往生するものだが、棚村さんもその洗礼を受け、奥さまと愛犬を乗せているときにラジエター・ホースが外れ、大変なことになったのだという。

「まだまだ暑い9月にラジエター・ホースが外れ、走れなくなったのは本当にもう最悪でした。積載車が来てくれるまでの待ち時間がすごく長かったことも、家庭内が不穏な空気となる一因となりました」



6月に買って9月にそんなことになったので、棚村さんは968のリフレッシュを決意。前述のスペシャル・ショップで総額100万円弱となるリセット作業を行った。

取材当日に少しばかり運転させてもらったが、腕のいい職人が作業してくれたこともあり、仕上がりはバッチリで、そのボディ剛性の高さから、ユーズド・カーとしての素性のよさも窺い知ることができた。

英国車好きだと思っていた棚村さんが968を増車したと聞いたときに、なんでまたそれを? と思ったが、実はそこには並々ならぬポルシェへの想いがあったのである。

こだわりの2台持ち生活は苦しい船出となったが、ホーネットを趣味車に、968を足グルマとした棚村さんの個性的なカー・ライフは、今後もまわりのレース仲間やクルマ好きを楽しませてくれることだろう。

文=高桑秀典 写真=阿部昌也



(ENGINE2025年2・3月号)

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