2025.03.07

CARS

新規オーダーは可能だが狭き門になるのは間違いない! 463馬力の待望のハイブリッド、レクサスLM700hに自動車評論家の島下泰久が試乗

全方位に大進化

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ハイブリッドの旨味は、発進の瞬間から明らかだった。出足が非常に滑らかなのだ。アクセルを踏み込んでからエンジンの過給が立ち上がるまでの一瞬の遅れすらも、即座に差し伸べられる電気モーターのアシストが埋めてくれて、車が間髪入れずにスッと前に出る。それだけに、クルマに羽根が生えたかのように軽く感じられるのだ。



但し、全体的にモーターのアシスト感は控えめで、力を発揮するのは主にアクセルを深く踏み込んだ時である。実はこれは加速時や牽引時の力強さを求める北米向けの味付けで、日本を含むそれ以外の市場向けでは、より広くアシスト感が得られるようになるという。



フットワークの進化にも大いに感心させられた。まずフレームと車体が別々に動いているかのようなユサユサ感が減って、動きが全体にスッキリした。操舵応答もより正確に。最近のレクサス車に共通のテイストが滲み出ている。

決して乗り心地が固くなったわけではなく、無駄な動きが削り取られたという印象。端的に言えば、上質さが増しているのだ。



オフロードでも好印象は変わらず。モーグル、岩場、急斜面も電気モーターの恩恵である繊細なコントロール性により悠々クリアできる。しかも急な突き上げに対しては強固なフレームが入力をきれいに丸めてくれるから、乗り味は悪路でも、とても上質なのである。



日本での“EXECUTIVE”に当たる後席2人乗りの上級仕様、Ultra Luxuryも試した。走りに関わる部分での一番の違いはタイヤが22インチのオールシーズンとなること。当然、サスペンションの設定も見直されている。

こちらは期待通り、静粛性がより高く、操舵応答性も一層正確。悠然とした乗り味はそのままに、よりスッキリとした操縦性を実現している。普段使いでの快適性で選ぶなら、やはりこちらだろう。



全方位に進化を果たし、味わいを増していた新しいレクサスLX。新規オーダーも受け付ける方向と聞くが、やはり台数は非常に少ないようで、かなりの狭き門になるのは間違いなさそうだ。

文=島下泰久

■レクサスLX700h OVERTRAIL
駆動方式 フロント縦置きエンジン+電気モーター全輪駆動
全長×全幅×全高 5092mm×2000mm×1895mm ftから変換(米国仕様プロトタイプ値)
ホイールベース 2850mm
トレッド(前/後) 未公表
車両重量 不明
エンジン形式 水冷V型6気筒DOHC24バルブ・ツインターボ
排気量 3455cc
最高出力 463ps/5200rpm
最大トルク 790Nm/2000rpm
トランスミッション 10段AT
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン
サスペンション(後) マルチリンク/コイル
ブレーキ(前後) 不明
タイヤサイズ(前後) 265/70R18
車両本体価格 未定(米国では11万4000ドル)

(ENGINE2025年5月号)

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