2025.04.26

CARS

【海外試乗記】マセラティGT2ストラダーレにエンジン編集部の村上がスペインのアスカリ・サーキットで試乗 とにかくGが凄い! コーナリング中は黙って横Gに耐えるしかない

MC20をベースにしたGT2レーシングカーのロード・バージョンとして、昨年夏に米国のモントレー・カー・ウィークでデビューしたGT2ストラダーレ。その914台限定のスーパースポーツカーに、サーキットと公道で乗る機会を得た。エンジン編集部のムラカミがリポートする。

新時代マセラティの始まり

マセラティの110年を超える歴史を振り返ると、このブランドの源流には大きく3つの要素があると言えるのではないか。すなわち、マセラティ兄弟が創業した1914年から戦後、彼らが会社を離れるまで続いた純粋なレーシングカー・ファクトリーとしてのマセラティ。次に、オルシ家の支配下でロードカーづくりに転向し、高性能クーペやスパイダーを世に問うたGTカー・メーカーとしてのマセラティ。そして、1963年に文字通り4ドアのクアトロポルテを登場させて以来の、ラグジュアリー・サルーン・メーカーとしてのマセラティである。

写真は左がGT2ストラダーレ、右がGT2レーシングカー。パッと見では取り違えるほど似ており、GT2で得られた技術が数多く転用されているであろうことが窺われる。とりわけ重要なのはエアロダイナミクスに関するパーツだろう。大きく口を開けたフロント・マスク、カーボン製のフロントフードに穿たれたエア・アウトレット、同じく両サイドのフロントフェンダーのエア・アウトレットなど、ほとんどそっくりのデザインだ。


その後の長い紆余曲折はあったものの、2020年に新時代マセラティの始まりを宣言してからのラインナップを見ると、まさにこの源流に沿ったブランド構築がなされているように見える。レーシングカーに近いピュア・スポーツカーとしてのMC20、GTカーとしてのグラントゥーリズモとグランカブリオ、そして、4ドア・サルーンの現代版ともいえるSUVのグレカーレが、このブランドのエンブレムであるネプチューンの三叉の矛よろしく、3つの源流を体現しているのだ。

写真は右がGT2ストラダーレ、左がGT2レーシングカー。少し違うのは巨大なリアのウイングで、どちらもスワンネックになっているのは同じだが、レーシングカーでは直線になっているのに対し、ストラダーレではブーメラン状になっている。公道を走るための法規に合わせた結果だろう。

その中でも、源流中の源流であるレースの世界を象徴するのがMC20であるならば、それをベースにレーシングカーがつくられるのは当然だし、それがヨーロッパGT2選手権で大活躍したのを受けて、今度はロード・バージョンとしてのGT2ストラダーレが登場してくるのも、まったく自然な流れと言うべきだろう。

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